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1 いま、社会の何が問題なのか?(その3)(1月11日の続き)

「システム」「デザイン」「マネジメント」の視点から俯瞰的問題解決を

 どうすれば、周回遅れの危機を乗り超え、国際競争力を回復できるのだろうか。
 答えはシンプルである。

(1) ネットワーク型の社会構造を活かし、様々な学問と多様なステークホルダが力を合わせ、ものごとの関係性を多様な視点から俯瞰的に捉え、混沌を整理し、相互理解すること(システムとしての理解)
(2) 理念・ビジョンのレベルから要素のレベルまで、整合的かつイノベーティブな問題解決策・競争力強化策を新たに構築すること(システムのデザイン)
(3) 強力なリーダーシップのもと、それをシステマティックに実践すること(システムのマネジメント)
(4) これらのための学問体系を構築し、それを実践する人材の育成を行うとともに、実際に具体的な問題解決を行うこと

つまり、(1)(2)(3)が、それぞれ、システム、デザイン、マネジメントに対応している。もちろん、学問体系とは、システムデザイン・マネジメント学である。
 すなわち、私たち慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科は、大規模複雑に絡み合った糸を解きほぐし要素間の関係性を明らかにする「システム」という視点、多様な人々が協力し新しくイノベーティブな解決策を創造する「デザイン」という視点、ソリューションをサステナブルに管理・運営・経営していく「マネジメント」の視点から、学問や職種の壁を超えた全体統合型学問SDM学の構築と、それを実践する人材の育成を行ってきた。SDM学は、現代が必要とする、世界的に類を見ない新たな学問体系であると自負している。学生は、官公庁、企業の者から個人事業主、教員、アーティストまで。過半数は企業派遣等の社会人学生であり、文理、年齢、国籍の壁を超えた多様な人材である。それぞれの俯瞰的問題意識のもと、あらゆる社会システム・技術システムを対象にSDM学に基づく全体統合型問題解決を試みている。
 もちろん、学問の塔に閉じこもらない実践重視・連携重視である。これまでに、産学官連携のもと、大学院内での研究、企業との共同研究や研修などの形で、企業間連携型の問題解決、起業、政策提言、地域活性化などの様々な成果を着実にあげてきた。今後も、従来型とは全く異なる大学院として、さらに官公庁や企業、国内外大学との連携を強化し、真の協働に基づく社会構造・意識構造の大転換に寄与していきたい。

第1章おわり。
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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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