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武蔵野大学ウェルビーイング学部ウェルビーイング学科

サンデー毎日で連載しています「みんなのウェルビーイング」。

21回目の今回は、2024年4月に武蔵野大学に開設するウェルビーイング学部ウェルビーイング学科についての想いを書きました。ウェルビーイングをどう教育すべきか!? ぜひ読んでみてください!

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ウェルビーイングをどう教育すべきか!?

ウェルビーイング(幸せ、健康、心と体と社会の良い状態)についての連載を重ねてきましたが、ウェルビーイングにあふれた世の中を作るためには何をすればいいでしょうか? 大人がウェルビーイングについて学ぶこと、一人ひとりがやりがいとつながりを育むこと、制度疲労に陥った組織を改編すること、政府や省庁がウェルビーイングに取り組みこと……。いろいろありそうですが、教育者として大事だと思うのは、ウェルビーイング教育を行うこと。

そんな想いを実現する場として、武蔵野大学に2024年4月にウェルビーイング学部ウェルビーイング学科を作ることになりました。私は慶應義塾大学教授と兼務の形でウェルビーイング学部長に就任する予定です。

ここで行いたい教育は以下の通りです。まず、心理学を基盤とするウェルビーイングの基礎を徹底的に学びます。何が幸せに寄与するのか。そしてどうすれば幸福度を向上させられるのか。武蔵野大学は仏教系の大学ですので、仏教などの日本思想・東洋思想がどのようにウェルビーイングに寄与するのかも徹底的に学びます。一言で言えば「すべての生きとし生けるものが幸せでありますように」という仏教の慈悲の心などについて学びます。それから、AIの進展した時代にあって、人間にとって重要な学びは、知識を詰め込むことではなく、感性豊かに、創造性を発揮して、人間らしく個性豊かに生きること。ですから、たっぷりと、自然環境体験、地域体験、企業体験、国際体験を行います。世界がキャンパス、日本中がキャンパス、森や畑がキャンパスです。そして、豊かなアイデアで新しい世界を創造していくための教育。社会をウェルビーイングな世界に変えていくウェルビーイング・イノベーションの基礎と実践を学びます。

つまり、自分自身が幸せでやる気にあふれているのみならず、人々を幸せにする製品・サービスをデザインしたり、町やコミュニティーや職場をデザインしたり、新たな教育をデザインする、ウェルビーイング・デザイナーを輩出します。もちろんここでいうデザインとは、意匠デザインという意味ではなく、あらゆる物事を創造的に作り上げるということです。

よく、就職先はどこですか、と聞かれますが、新しい仕事です。AIが人間の仕事の多くを奪う代わりに、新しい仕事が生まれると言われています。もちろん既存の企業の企画部門、戦略部門、ウェルビーイング担当部門に就職する者もいるでしょうが、最も願っているのは、経済成長に偏りすぎて多くのグローバル・イシューを生み出してしまった世界を、ウェルビーイングにあふれた世界に刷新する仕事を創造する人です。明治維新を先導した坂本龍馬の言葉を借りれば、「日本を今一度、洗濯いたし申し候」です。令和維新の先導者の育成です。明るい未来を力強く歩む、活力溢れる人間の教育です。楽しみです。

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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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