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幸福学の最近の論文から

幸福学に関する最近(2021年)の二つの論文の結果の一部を紹介します。

ひとつめ。

喜多島知穂,飛鳥井正道,末吉隆彦,磯崎隆司,前野隆司,主観的ウェルビーイングの分析と構造化-因子分析と偏相関関係分析を用いた心理的要因間の関係解析-,日本感性工学会論文誌,Vol. 20, No. 2,2021年4月,pp. 129-139

変相関関係分析という手法を用いて、幸せの4つの因子を構成する要素のどれとどれが直接相関するかを図式化した結果。下の図の通り「人生満足尺度」と直接相関するのは「自己受容」であること、「ポジティブ感情」に直接相関するのは「将来への希望」であること、「ネガティブ感情」に直接相関するのは「心配事がない」であること、「自己受容」「人生の意義」「自尊心」は他の多くの項目と直接相関するハブとなっていること、第2因子「自己受容と楽観」、第3因子「自己実現と成長」は幸せと直接関係する傾向が強いが、第1因子「つながりと感謝」、第4因子「自信と自分らしさ」は間接的に幸せに影響していることなど、この図をじっくり見ているといろいろと興味深いことがわかります。

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ふたつめ。

喜多島知穂,前野隆司,中尾睦宏,主観的well-beingに影響する心理的要因の特徴:コロナ禍におけるアンケート調査,日本心療内科学会誌,Vol. 25, No. 2,2021年7月,pp. 81-95

2021年に掲載されたこの論文では、幸せと弱い相関を持つ事柄も含めて因子分析を行った結果、8つの因子が得られています。「あるがままの受容」「自己へのゆるし」「思いやりと感謝」「生きがい」「信心と精神性」「自己内外への意識」「挑戦と成長への意志」「他者への寛容と協力」の8つです。

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こちらについてはYouTubeでも解説しています。

幸福学入門 幸せの4つの因子から8つの因子まで


540-3_202208022254318cb.png

52分間の動画です。ぜひご覧ください。

また、このブログについて、voicyで解説しています。全18分。こちらもお聞きください。

https://voicy.jp/channel/2318/365675

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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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