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西精工株式会社見学レポート

2020年10月29日、念願の西精工見学。

すばらしくて、感動しました。見学中何度も感動の涙をハンカチで拭くという状態でした。

株式会社eumo主催の見学会。前日に徳島入りして西社長とも懇親会をし、当日は朝8時に伺って、朝礼の見学、会社見学、西社長のお話、質疑応答。12時5分までの予定でしたが、白熱して12時半を過ぎていました。

社員の90%が、月曜日に会社に行きたくてたまらないという会社。エネルギッシュで人間臭い西社長の感動的なお話は何度も聞いていたものの、見学は初めて。結論から言うと、250人くらいの社員の方々は、皆さん、真剣さの迫力があり、大きな視座と思いやりを持っていて、声が大きく純粋。人間性を尊重され、毎日成長し、人間の能力を100%発揮すると、人間はここまでいけるんだ、というお手本のような方々でした。会社って、協力して仕事をすることを通して人間性を磨く場なんだなあ、とつくづく思いました。

私はこれまでたくさんの会社を訪問してきましたが、経験上、会社の長すぎる理念や社訓を唱和することに懐疑的でした。朝礼で長い社訓を棒読みする覇気のない社員をたくさん見てきたからです。説教くさい親みたいに、ああしろこうしろと細かく指示する経営者からは、思いが社員に伝わらないと思っていました。そして、西精工さんの創業の精神、経営理念(私たちのミッション、私たちのビジョン、私たちの行動指針)は長い。ちょっと長すぎるのではないかな、という疑問がないわけではありませんでした。

創業の精神

しかし、朝礼に出た瞬間、疑問は吹き飛びました。この日見学したのは、営業と品質管理の方々27名による朝礼。最初は創業の精神と経営理念の唱和です。

みなさん、声が大きい。もちろんみんな暗唱しています。そして、表情を見るとわかります。みんながその言葉を自分のものにしていて、かみしめながら生き生きと声に出していることが。清掃され整頓された美しい部屋中に響き渡る、心を込めた創業の精神と経営理念は、それを聞いているだけで感動ものでした。これだけでわかります。西社長が、時間をかけて、思いを社員たちに伝え続けてきたことが。そして、社員たちは、それに応えて、成長し続けてきたことが。

そのあとは、今期のテーマや今日のテーマについて、全体で、あるいは小グループに分かれての、対話の連続でした。みなさんの真剣で機敏な動きが印象的でした。誰かが話し出すと、さっと体全体をそちらに向け、みんな目を見て、真剣に聞く。

朝礼

この写真、見てください。写真では伝わりきりませんね。みんなの真剣な視線が話す人に注がれている迫力は、言葉では表せません。みなさん、真剣でした。そして、真剣な表情ながら、楽しんでおられました。ひとりとして、いやいや、やらされ感でやっている社員はいません。顔や態度や言葉でわかります。

1時間近く朝礼をすることで有名な西精工さんですが、この日の朝礼は1時間半近くに及びました。毎日朝礼を1時間も行う、ということが西精工さんの特徴の一つですね。対話です。アイザックスによる対話の心得は、

①listening(しっかりと聴く)
②respecting(敬意を表して聴く)
③suspending(批判は保留する)
④voicing(自己開示して本音を声に出す)

ですが、これらが非常に高いレベルで実現されていました。司会の方や質問者は、「そのときどんな思いだったんですか」「具体的には何を変えるのですか」などの本質的な問いを発していました。また、皆さん純粋。「営業の方が頑張って仕事をとってきてくれたのだから、納期が遅れないよう私たちが管理します」のように、仕事の内容が、単なるタスクとしてではなく、人間と人間との思いやりとして語られていました。

そう、純粋なのです。理念をだれも綺麗事だとは思っていない。子供の頃のような純粋さで、本当に良い社会を作りたい、良い会社を作りたいと、全員が真剣に思っている。そして、毎日改善して行動している。この会社のピュアな雰囲気は、中学・高校の頃、みんなで力を合わせて文化祭や体育祭の準備を行っていた頃の空気感に似ています。みんなで成し遂げることのために、一人も取り残さず、一丸となっている会社。

具体的な施策については、拙著『幸福学×経営学』(内外出版社)にも載っていますし、世の中にたくさんの記事が出回っていますので、そちらをご参照ください。

とにかくお伝えしたいのは、この空気感。「社員を幸せにしたい」という西社長の思いが全員に伝わっていて、全員が「良い会社を作りたい」と毎日真剣に努力している会社。しかも、努力を生き生きと楽しんでいる会社。会社って、いいなあ。会社って、本来、お金をもらいながら、幸せになるための勉強をするところなんだなあ。そんなことをしみじみと思った会社見学でした。

社員を幸せにする会社として有名な伊那食品さんを見学した時
http://takashimaeno.blog.fc2.com/blog-entry-461.html
の感動と同じでした。順位付けをするものではありませんが、これまで、見学した会社の中で、伊那食品さんは飛び抜けて素晴らしいと思っていましたが、西精工さんは、伊那食品さんと同率首位です。2社に共通することは、経営者が素晴らしいだけでなく、社員の方々が、どの方にお話をお聞きしても素晴らしいということです。もちろん、若い人は荒削りの面があったりもしますが、しかし、理念が何かをわかっていて、自分で考え、自分で行動し、自立してしっかりとした内容の、いや、感動的な内容の話を、すべての社員ができること。会社で学び、成長し、幸せになろうとしていること。もちろん、同時に、仕事を通して社会の役に立っていることを、自分ごととして、肌身でみんながわかっていること。その充実感が、人間の存在感として、どの社員からも、もちろん社長からも、オーラのように醸し出されていること。

面白いことに気づきました。伊那食品の社員の雰囲気は、塚越最高顧問や塚越社長に似ていたのに対して、西精工の社員の雰囲気は西社長に似ていました。大家族経営。長年連れ添った夫婦は似てくると言いますが、いい会社はそれぞれ個性的で、その個性的な雰囲気が全体に伝わっているものなんだなあ、と思いました。

多くの方に、本当に素晴らしい会社を、見学していただきたいです。本を読むのも良いですが、この空気感は、実際に行ってみないとわかりません。あれから何日か経ちましたが、思い出すと今でもオキシトシンやセロトニンがあふれてきます。西社長、西精工のみなさま、eumoのみなさま、一緒に見学したみなさま、ありがとうございました。私も、幸せな世界を作るために、微力ながら真剣に歩んでいきたいと思います。決意を新たにした会社見学でした。

西社長講和
西社長の感動的なお話

記念写真
全員で集合写真

西精工のネジ
お土産にいただいたナットくん

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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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