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ブータンの家庭(5/7)

ガイドのウゲンさんに「普通の民家を見てみたい」とお願いしたら民家でお昼ご飯を食べられることになりました。ガイド、運転手付きのツアーというのは、現地の生活についていろいろと知りたい場合にはとてもいいシステムですね。

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パロの町外れにある、今回訪れた民家を正面から見たところ。こちらから見るとわかりにくいですが、3階建てです。1階は牛小屋、2階は住居。3階に食堂と仏間がありました。その上に開放的な屋根裏も。

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こちらは、田んぼに面した裏門。3世代が住む大家族のようでした。家はかなり広いです。日本の田舎の家くらいでしょうか。たぶん建坪200平米から300平米くらい。ガイドのウゲンさんに、見学用の立派な家なのかと聞くと、そうではなく、田舎ではどの家もこんな感じとのこと。

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8畳くらいの広さの台所は、離れになっていました。ハエがたくさん。そういうと不潔と感じられるかもしれませんが、敬虔な仏教国であるブータンでは、ハエもカもゴキブリも殺しません。人間も次にはハエやカやゴキブリに生まれ変わるかも知れない。そんな仲間を殺傷することは基本的に行ないません。動物を食料にするとき以外は。

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3階て食事を頂いている所。右から、ガイドのウゲンさん、運転手のカルマさん、この家のお母さん。ブータンの料理はおいしいです。米には白米と赤米があり、日本の米よりもまるっこい感じですが、味は日本の米に近いです。ウゲンさんが取っているのは牛肉野菜炒め。その向こうに小さく見えているのが、ブータンで最もよく食べられているという料理、エマ・ダツィ(=唐辛子・チーズ)。その名の通り、唐辛子のチーズ煮込み。こちらでは唐辛子はスパイスではなく野菜だそうです。辛いですが、美味しいです。左側はジャガイモ料理。どの料理もおいしいです。みなさん、手で食べておられました。

このダイニングの隣に仏間があるというので見せてもらいました。小さめのお寺かと思うくらいの、8畳くらいの大きさの仏間があり、人間くらいの大きさの仏像がおいてありました。さすがにこれだけのサイズの仏像があるうちは多くはないそうですが、これくらいのサイズの仏間は、地方ならばどの家にもあるそうです。

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さらに上にのぼると、開放的な屋根裏があります。ジャガイモや唐辛子や麦を乾燥していました。米は別の倉庫のような建物の上に置かれていました。要するに、大量の穀物を備蓄しているわけです。食べ物に困らない安定した暮らしです。

みんなで食事をし、そのあとでなぜか稲刈り後の田んぼでアーチェリーをやろうと言われてアーチェリーを少ししてから、家を後にしました。

物質的には日本の方が豊かですが、質素ながら食料がたくさんあり、家族の絆が強い、ブータンの普通の暮らし。実は心の豊かに満ちあふれている国なのだと思いました。

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こちらは学会会場の近くの、パロの市街地の民家群。集合住宅のようです、たぶん。牛は放し飼いだそうです。

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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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