2015年11月、はじめてブータンに行ってきました。目的は、標高2300メートルの町パロで行なわれているInternational Conference on GNH (Gross National Happiness)に参加するため。

ブータンについては、幸せな国、古き良き日本のような国、敬虔な仏教の国、というポジティブな感想と、幸せな国というのは単なるプロパガンダ、主観的幸福度は必ずしも高くない(日本と同じくらい)、最近は国際化が進み幸福度が下がり人身は荒み始めている、といったようなネガティブなご意見をどちらも耳にするので、幸福学研究者としては一度この目で見て確かめたいと思っていました。このため、とても楽しみにしていた出張でした。
結論から言うと、とても学びの多い充実した一週間でした。ブータンの方は素朴で優しく親切な方が多く、日本人が忘れかけている、他人を思いやる心や敬虔な宗教心・哲学を持っておられ、たくさんの気づき・学びを得られた旅でした。GNH国際会議には700名を超える方が世界中から集まっておられ、進歩主義的・合理主義的・二者択一的世界観の行き過ぎを見直すべきだという思いを新たにした学会でもありました。
まず、行く前に驚いたのは、ブータンは鎖国に近い状況だということ。アメリカとも中国とも国交がありません。旅行に行く時は、ホテルとガイドと運転手がセット料金になっていて、ガイドと運転手が連れて行ってくれた所にしか行くことができません。しかもその値段は高く(2015年に私が聞いた話では、1日250ドルから)、ビザ取得もそれなりにめんどうで、気楽に旅行に行けるような状況ではありません。だから、徐々に増えてきているとはいえ、ブータンに行ったことのある方はあまり多くないのが現状です。
今回のブータンの旅は5泊8日(機中泊2日)。学会が3日間、学会後の土日にJICAのブータン在住の方と過ごす、という旅程でした。JICAの方々、現地に住まれている方々、世界中のGNH研究者、ブータン研究者の方々、そしてブータン人の方々(ガイド、運転手、学会でお会いした方々)との会話や情報共有で得られたブータンについての私の印象について、7回に分けて、記していこうと思います。
ちなみに、宿泊先は、ブータンで一番古いホテル、ホテルオラタン(Hotel Olathang)。高台の森の中にあります。
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