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お金は人のために使う方が幸せ

消費税増税(4月に5%→8%)まであと一ヶ月。高額商品が売れている、というニュースをやっている。安いうちに買いたい気持ちもわかる。

しかし、ブリティッシュコロンビア大のエリザベス・ダン教授ハーバード大のマイケル・ノートン准教授の幸福学研究によると、お金を自分のために使うよりも、他人のために使う方が幸せになれる。

ということは、消費税が上がったあとで、3%分、余分に税金を払い、国の借金返済に貢献した方が(つまり、負の遺産を子や孫の代に残さないことにより、結果的に、子や孫の代のために使った方が)、幸せなはず(というのは幸福研究を拡大解釈し過ぎでしょうか)。

というわけで、みなさん、駆け込み購入より、たくさん税金を払った方が、幸せになれるかもしれませんよ! ついでに言うと、今は確定申告の時期ですが、頑張って節税するより、どんどん払った方が幸せなはず! もちろん、寄付もいいですね。

そういうことはお金の余裕がある人が言うことだ、という反論がありそうですが、ダン先生やノートン先生の実験では、収入とは関係ない。だれでも、お金を他人のために使うと幸せになれるのです!

それから、税金を国の無駄のために使うのはいや、という意見もあるでしょうけどね。その議論はこちら(昨年8月のブログ)。

<追記>
CRM (Cause Related Marketing)という利他的マーケティング手法があります(私はこれの研究も行っています)。たとえばVolvicの1ℓfor10ℓキャンペーン。買った水の一部がアフリカの井戸を掘る資金として寄付される結果、自分が1ℓ飲むと、アフリカの人が10ℓ飲める、というもの。これと同じですよね。「さらに3%、国の財政のために貢献しよう」キャンペーン。問題は、国民皆が「1ℓfor10ℓキャンペーン」や「税金をもっと払おうキャンペーン」に賛同できるためにはどうすればいいのか、という点。
答えのひとつが、「いやいや、そうするとあなたは幸せになるんですよ」という事実を広めるアプローチ(だと思ってこの記事を書いた次第です)。二つめは倫理観の醸成。三つ目がアメ、四つ目がムチ、でしょうか。

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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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