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濱口秀司氏特別講演会

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今日は日曜日。しかし、慶應SDMは年中無休。50名近い学生・教員が参集しました。

あの、日本が誇るイノベーター、オレゴンZIBAの戦略ディレクター濱口秀司氏が我がホームグラウンド協生館で特別講演! 午後3時から5時の予定でしたが、白熱して、終わったのは6時近く! その後懇親会! 濃い交流でした。

もともとは春学期にSDM特別講義の講師をお願いした際に、社会人と新卒学生がイノベーションを学ぶ慶應SDMのユニークさに共感頂き、時間があればいつでも来ますよ、とおっしゃってくださったのが始まり。お言葉に甘え、講演を依頼した次第。今日は、学生や教員の質問に答える形で、左脳と右脳をフル回転したシステマティックで創造的なイノベーション手法のノウハウを惜しげも無く披露して頂きました。

ブログには書ききれない濃い内容でしたが、特に印象的だったコメントをいくつか紹介しましょう(表現は、濱口さんのことばを前野が意訳)。

「イノベーティブなアイデアは、一般に、新しいバリューを提供すると同時に、顧客の新しい行動を要請する。これだと飛びすぎていて、マジョリティーはついて来れなくなりがち。つまり、進みすぎていて、市場に受け入れられなくなりがち。だから、戦略的に(既存のバリューにとどめたり、既存の行動にとどめたりすることによって)ベクトルの大きさを調整することや、二つのジャンプを行える企業体にゆだねることなどの工夫が必要(これを2×2の図で説明)。」

「アイデアは、プロジェクトの最初のフェーズで出せ。情報が不足しているうちから、問題を構造化し、それをシフトして、果敢にアイデアを投入すべき。でないと間に合わない。逆に最悪なのは、プロジェクト終了2週間前くらいに既存の枠内思考でありふれたアイデアを投入すること。実は、プロジェクト開始3日目くらいまでに思いついたアイデアの筋がいい。もっと言えば、クライアントは最初の3分で重要なことを言うので、その時点で問題を構造化すべき。」

「構造化は、全体を網羅するものでなくてもいい。レイヤーで言うと、2〜3階層でいい。その代わり、構造化する範囲内をスルメのように味わって楽しみ尽くすことが重要。とにかく、目の前の少ない情報をもとに、いかにとことん構造化し尽くすかが勝負。」

「イノベーションは、数字で表し切れない領域にある。しかし、モデル化はできる。質的なモデル化をすることが本質的に重要」

「本当にイノベーティブなアイデアは、その業界の不確実性をあげる。数字で市場を読むことができなくなる。逆に言えば、そうであるかどうかによって、イノベーティブかどうかを判断できる。」

「アイディエーションで大事なことは、究極の単純化。プロジェクトを最も的確に表す図(頂点にある図)をひとつ描くことが重要。」

↑これだけでは読者の方はわからないかも知れませんが、これらが本質でした。

しかも、来年度以降も、いつでも来てくださると約束してくださり、大感激。幸せ。ありがとうございました!

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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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