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これまでの大学の常識を覆す大学院:慶應SDM

昨日は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の今年度第一期入試の合格発表でした。合格された方からいくつも喜びのメールをいただきました。ユニークで優秀で個性あふれる様々な方々でした。これからいっしょに活動することを楽しみにしています! 残念ながら不合格だった方も別のどこかで何かご一緒できればと思います。再受験という手もありますし。

入試のことはあまり書けませんが、書ける範囲で。

まず、「倍率はどれくらいですか」「難易度はどれくらいですか」とよく聞かれます。他の教員には、あまり倍率が高いというと受験者が減るから高いと言わない方がいいのでは、という方もおられますが、事実なので書いておきます。倍率は低くないです。前にも書きましたが、独立大学院で、一学年修士課程77名も学生がいる大学院としては異例の倍率だろうと思います。特に、何らかの専門性を有する社会人をターゲットの一つにしている大学院なので、新卒学生の方(現在大学4年生の方)の場合は若いなりに自分の独自性をはっきり持っていないと合格難易度は高いというべきでしょう。うれしいことに、とにかく多様で一流の方がたくさん入って来られています。社会人の場合、経営者、ビジネスマンからアーティストまで、様々な分野の方。新卒学生の場合も、大学名で判断するつもりはないですが、慶應、早稲田、東大から、美大、海外大学まで、いろいろです。

我々の入試は、修士課程の場合、書類と小論文、面接のみです。よって、人物本位です。事前に教員にコンタクトを取って会い、慶應SDMについて深く理解しておくとともに、どんなことを学びたいのかを明確にしておくことをお勧めします。
博士課程の場合は、指導希望教員との密なコンタクトは必須です。博士の学位を得るためには学会のジャーナルに何本かの論文を通す必要がありますので、入試を受ける時点で、どの学会にどんな内容の論文をどんな計画で出していくかを明確にしておくべきです。学会は、もちろん、それぞれの分野における一流の学会であるべきです。博士課程入学希望の方は、私の以前のブログ(慶應SDMで博士号を取得するとはどういうことか、2013年4月16日)も参考になると思いますので見てください。

さて、慶應SDMはどんなところがユニークなんですか、と聞かれることがあります。めちゃくちゃユニークなんですが、まだ知らない人も多いですかね。これまでの活動の結果、最先端の人たちには知られているという自負がありますが、まだまだ全体としては知ってもらう余地が大きいかもしれません。本気でユニークさを伝えなければ。以下、4つのユニーク。

1 全く新しい大学院のあり方:多様な燃える大人の集う場であるという点
文理融合。学生の文理比率は約5:5。社会人と学生の比率は約7:3。あらゆる分野の社会人学生・新卒学生が集い、様々な問題をともに解決しようと燃えている、この活気。教員と学生もフラット。学内外の方々との連携も盛ん。学びあい、教えあう雰囲気。こんな雰囲気、私はこれまでの日本の大学・大学院で全く見たことがありません。社会人学生は、会社派遣学生、自費で働きながら学ぶ学生、仕事を辞めて学びにきた学生、会社は部下に任せて学んでいる経営者と、多様。6時限目の授業は午後7時から、土曜もみっちり授業がありますので、働きながらも学べます(慶應義塾大学では唯一の、働きながらも学べる大学院です)。

2 まったく他のどこにもない独自の全体問題解決学を教育・研究している場であるという点
学生も教員もみんなが全体問題解決に燃えています。全体問題解決とは、あらゆるものごとをシステムとして捉え、部分最適ではなく全体最適を目指す、システムデザイン・マネジメント学(SDM学)の考え方。SDM学の学問基盤は、最先端システムズエンジニアリングと、デザイン思考。どこかの学問に閉じこもるのではなく、多様な者がともに問題解決する全体統合型学問。どちらの学問も、チームでの協創を基盤とします。学生は、昼も夜もグループワークに明け暮れています。理系の学問を基盤としますが、学生の出身も、適用分野も、全く理系には限りません。システム×デザイン。左脳×右脳。システムとしての確実なデザインと、自由でのびのびとした創造を両立。

3 もちろん、全体問題解決学により、技術・社会の問題をどんどん解決している点
SDM学は実践的学問。学会に論文を出すだけでなく、研究成果を実社会で役立てることを重視しています。学生・教員の研究テーマも、実際に役に立つこと(ないしは、少なくとも、どのように役に立つのか、ニーズを明確化していること)を重視。起業、新規事業、企業・事業体での問題解決、地域活性化、社会貢献など、様々な具体的成果が出ています。

4 独自の全体問題解決学を身につけているのでめちゃくちゃ就職・昇格・転職に強いという点
つわものの社会人を見慣れているためか、新卒学生は相対的に未熟に見えるのですが、そう思っていた新卒学生が、コンサル、商社、メーカー、IT、省庁など、一流どころに何カ所も合格したというニュースを聞くと、うちで学ぶ新卒学生が大きく成長することを実感。そりゃそうですよね。20代から60代までの大人とともに2年間みっちり学び、もまれると、ものすごく成長します。よって、就職実績は抜群。社会人学生も、社長直結の経営企画部門に栄転したとか、昇進したとか、やりたい仕事に転職したというニュースが次々飛び込んできます。もちろん、起業した学生も多数。まだ修了者は4学年300名超に過ぎませんが、慶應SDM出身者は仕事ができる、慶應SDM出身者が欲しい、という声が方々から聞こえるようになってきました。手応え十分です。

とりあえず、今日はこの辺で。これから、入学希望者への研究科説明会@三田キャンパスです。

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プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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