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木嶋先生による「システムの科学と哲学」の講義を実施

今日の「システムの科学と哲学」(私の授業)は、東工大価値システム専攻の木嶋恭一先生による、ソフトアプローチのお話(3回のうち2回目)。日本ではあまり聞けないが、ヨーロッパでは結構教育されている。一方、アメリカではシステムズエンジニアリングの方が主流で、あまり聞かない。

ソフトというのはソフトウエアという意味ではなく、チェックランドらがいうところの”柔らかいアプローチ”という意味。ハードアプローチとは、1950年代以来の、オペレーションズリサーチ、システム分析、システム工学(現代システムズエンジニアでいうところのTSE, Traditional Systems Engineering)。補足すると、ソフトアプローチがいうところのハードアプローチ(頭の固いアプローチというようなニュアンスか)にはシステム工学が入っているが、写真を見るとわかるように、現代システムズエンジニアリングから見ると、その一部にすぎない。当然、現代システムズエンジニアリングは、戦略的問題、システミックな問題、視覚的問題、"Do the right thing"の問題も含む。よって、システムズエンジニアリングはもはやハードアプローチではなく、その射程は広いというべきだろう。現代システムズエンジニアリングとソフトアプローチの違いは、「解を求めること」を目指すのか、「参加者が学習すること」を目指すのかというあたり。もちろん、SDM学は両者を含む。拙著『思考脳力のつくり方ー仕事と人生を革新する四つの思考法』(角川書店)に述べた通り。

SOSM(System of Systems Methodologies) の説明もあったが、慶應SDMの学生は混乱するかもしれないので補足しておこう。SOSM は、システムズエンジニアリングでいうところのSoS (System of Systems)とは分類も考え方も異なる。どちらも大規模・複雑システムをいかに扱うかということを考えているという意味では同じですけどね。

ハードアプローチとソフトアプローチ
側面 ハードアプローチ ソフトアプローチ
目的 問題解決・問題改善 関与者の相互理解・学習・アコモデーション
主体の考え方 目的追求的(purposeve) 目的生成的(purposeful)
対象 戦術的問題、構造的問題 戦略的問題、非構造的問題
狙い HOW: 最適解、結果重視 WHAT: 相互学習、過程支援
システム概念 システマチック システミック
使用主体・使用形態 専門家による提言 関与者自身の積極的関与
評価基準 合理的、科学的 文化的実効可能性、システム的な望ましさ
方法論の特徴 定量的、洗練された手法、問題は再現可能 非定量的、視覚的手法、問題は一時的
Do the thing right (efficiency) Do the right thing (effectiveness)



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コメント

[C15] まさにそのとおりです!

前野先生、
コメントありがとうございます。
まさにこの記事の通りです!
そして、その最新の両方を対立するものではなく、補完するものとして学ぶことができるのが慶應SDMのすごいところであり、面白いところですね。

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