ソフトというのはソフトウエアという意味ではなく、チェックランドらがいうところの”柔らかいアプローチ”という意味。ハードアプローチとは、1950年代以来の、オペレーションズリサーチ、システム分析、システム工学(現代システムズエンジニアでいうところのTSE, Traditional Systems Engineering)。補足すると、ソフトアプローチがいうところのハードアプローチ(頭の固いアプローチというようなニュアンスか)にはシステム工学が入っているが、写真を見るとわかるように、現代システムズエンジニアリングから見ると、その一部にすぎない。当然、現代システムズエンジニアリングは、戦略的問題、システミックな問題、視覚的問題、"Do the right thing"の問題も含む。よって、システムズエンジニアリングはもはやハードアプローチではなく、その射程は広いというべきだろう。現代システムズエンジニアリングとソフトアプローチの違いは、「解を求めること」を目指すのか、「参加者が学習すること」を目指すのかというあたり。もちろん、SDM学は両者を含む。拙著『思考脳力のつくり方ー仕事と人生を革新する四つの思考法』(角川書店)に述べた通り。
SOSM(System of Systems Methodologies) の説明もあったが、慶應SDMの学生は混乱するかもしれないので補足しておこう。SOSM は、システムズエンジニアリングでいうところのSoS (System of Systems)とは分類も考え方も異なる。どちらも大規模・複雑システムをいかに扱うかということを考えているという意味では同じですけどね。
コメントありがとうございます。
まさにこの記事の通りです!
そして、その最新の両方を対立するものではなく、補完するものとして学ぶことができるのが慶應SDMのすごいところであり、面白いところですね。