システムズエンジニアリングの根幹となる考え方の一つであり、慶應SDMでもVモデルに則って考えることを基本としている。
Vモデルには、Dual V-modelやWモデルなどの応用編も存在するが、誤解されがちなので注意を要する。Vモデルの基本は、単純である。Vモデルは、システム開発の基本的な流れ、すなわち、分解と統合、デザインとV&V(verification and validation)を表す。下図に示したように、左側はデザインがマクロからミクロに分解される様子を表し、右側はミクロからマクロまで確実に検証・評価が行われることを表す。基本はこれだけである。
PDCA (Plan, Do, CHeck, Acrtion)のようなシステム開発全体プロセスを表すもの、と誤解されることがある。そのような場合もあるけれども、システム開発”全体”を表すためのものではなく、システム開発の”部分”をも表す。つまり、Vモデルはシステム開発の随所に現れる。大きなVも、小さなVも、あるのである。システム開発全体を表してもいいし、部分を表してもいい。様々なVが入れ子構造になってもいいのである。
下図は、システムが、システムレベル、サブシステムレベル、コンポーネント(要素)レベルの3段階に分かれるケースを表しているが、システムのレベルはもちろん3段階でなくても(2段階でも、n段階(nは任意の整数)でも)いい。
Vモデルの最下部に、提案、デザイン、等と書く者がいるが、それは間違いである。図には(build)と書いたが、部品を調達したり組み立てたりするところであることを表しており、特に部品を調達する必要がない社会システムの開発の場合には、Vモデルの最下部には何もなくてもよい。
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