Entries
今日のSDM特別講義は、元世界銀行副総裁でシンクタンク・ソフィアバンクパートナーの西水美恵子氏。ブータン元国王とのエピソードと、西水さん自身による世銀改革のエピソードが、二重らせんのように絡み合いながら進展していくお話は、感動的だった。貧困、幸福、情熱、リーダーシップ。どれも、わかった気になっていることと、心からわかったと思え、それが仲間に本当に伝わることとは異なる。本当に、本気で思っていることの、...
今日は朝から夕方まで、SSH(Super Science High School)事業の一環として福島高校にお招き頂き、昨年に続き体育館でブレーンストーミングのワークショップを行った。昨年は1年生全員320名が対象でしたが、今年は1、2年生混成で午前中に320名、午後に320名、合計640名に対して実施。過去最大規模の経験。そんなに大人数でできるのか?そういう疑問がわくかもしれない。我々には可能です。デザインプロジェクトで鍛え抜いた慶應SDM...
今日、橋下氏が自分の発言について釈明していた。しかし、全く納得できない。というか、怒りを覚える。だから、私の考えを表明したい。職業人としては政治的発言を控えることにしているが、私人としての考えを。「戦時下では従軍慰安婦が必要だった」のであって「私がそれを容認している」のではない、という橋下氏の釈明は全く不十分だと憤りを覚える。私だったら以下のように言う。「歴史上の様々な証拠から鑑みるに、戦前の日本...
帰国しました。日没前の真っ赤な太陽が美しい。成田空港にて。...
幸福と不幸の因果関係ループ図を描いてみました。描いた目的は、(1) 某省庁×民間の勉強会で発表するため、(2) 秋に講談社現代新書から出す予定の著書に載せるため。要するに、現代社会では、不幸から抜け出せない人たちがいる(右下の悪循環のループ)。それから、間違って地位財(positional goods)が幸せへの道だと思って目指すがそれは間違いであるというフォーカシング・イリュージョン(間違った方向を目指してしまうこと)...
学会会場から地下鉄で3駅の海雲台(Haeundae、ヘウンデ)にて。海岸に大きな人工の砂の山があり、そのてっぺんから水を撒いている人がいた。砂の彫刻を作る準備をしているところなのではないかと思う(と思って調べたら、6月に海雲台砂祭りという催しが行われるそうなので、やはりその準備のようです)。人工の砂の山の上の人と水を撒くためのホースが抽象絵画のようでした。...
日本は夏のように暑いそうですが、韓国も同じ。木陰って、ほっとしますよね。...
亀尾(グミ)に単身赴任している友人を訪問。亀尾は、大邱(テグ)の近く。釜山(プサン)からKTX(高速鉄道)で1時間ちょっと(ソウルからも1時間半くらい)。SamsungやLGの巨大な工場のある町。友人は、日本のメーカーの韓国生産拠点に勤務していて、韓国の民生品用の基幹部品生産関係の仕事で赴任中。で、グルメの友人が「韓国の料理の中で一番うまい」というタッカンマリを食べに、亀尾のレストランに。タッカンマリとは韓国語...
今日から国際会議ICMDT参加のため釜山出張。写真は中部地方上空。...
慶應大阪シティキャンパス開所式に参加。大阪駅前にできた新しい複合施設(というか、町)、グランフロント大阪。今日も大にぎわいだった。その中に、研究・教育施設および研究成果体感施設から成るナレッジキャピタルがある。その一角、北館タワーCナレッジオフィス10階に、慶應大阪シティキャンパスがスタート。慶應SDMも、説明会、公開講座等で使うことを検討中。KMD(メディアデザイン研究科)は遠隔授業も行うそうだ。うちも...
昨日と今日の「デザインプロジェクト」(慶應SDM修士課程必修プロジェクト科目)は、Stanford University の Professor Kurt Beiter(カート・バイター先生)の集中講義。今日で、今年のラーニングフェーズは終了。これから、アクティブラーニングフェース、デザインフェーズ(別名リアルイノベーションフェーズ)へと入ります。7つのプロポーザー企業・事業体も発表し、彼らの出した課題に対し、イノベーティブなコンセプトデザイ...
東工大美術部の後輩、和田聡文氏(ちゃぶ台ファクトリー)が、国立の画廊で行われている「芸術の存在意義展」に出展するために福岡から上京してきているというので、見に(会いに)行った。スティーブジョブスのような成功者が周りからあがめられる一方、潮流に乗り遅れた者は社会から取り残される現代世界をシニカルに描いた作品群には共感。学生時代にはよくわからないと思っていた和田君の作品が妙に腑に落ちたのは、お互い歳を...
慶應SDMの「コミュニケーション」という授業の受講者に、ブログを書くこと、という課題を出した。文章を書く習慣をつけるとともに、公に発信する練習をすることが狙い。教育へのフィードバックも得られるので、一石二鳥。それぞれ、いろいろなことを書いていて興味深い。慶應SDMやその授業への感想、意見も多いが、書くことがないから、他の学生のために日吉のラーメン屋を紹介しよう、という学生も出てきたりして、創発的で面白い...
今日の「システムの科学と哲学」(私の授業)は、東工大価値システム専攻の木嶋恭一先生による、ソフトアプローチのお話(3回のうち2回目)。日本ではあまり聞けないが、ヨーロッパでは結構教育されている。一方、アメリカではシステムズエンジニアリングの方が主流で、あまり聞かない。
ソフトというのはソフトウエアという意味ではなく、チェックランドらがいうところの”柔らかいアプローチ”という意味。ハードアプローチとは...
某企業にて、WCA(欲求連鎖分析)によるコミュニケーションのワークショップ。WCAの新しい使い方を試み、新たな発見があった。これまでのように組織間の関係をWCAで記述するのではなく、個人間のコミュニケーションの自己組織的な発展状況を記述しながら会話や協創のシナリオを構築するというもの。まず、ペルソナを詳細に設定。状況も設定。そして、各人の欲求を皆で考えながら慶應SDMオリジナルのハート形付箋紙に書き、貼ってい...
午後に「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン(ハーバード大学教授)が作ったイノサイトというアメリカの会社のCEOによるセミナーに参加。そのあと、夕方から、紺野登先生(多摩大学教授)の本『利益や売り上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか』の出版記念イベントに参加。正直言って、イノサイトのセミナーは常識的な内容で特に驚きはなかった(お招き頂いたのにすみません)。確かに「イノベーションの...
はじめて文楽を見た。寿式三番叟と心中天網島。江戸時代以来の庶民文化、とても刺激的で面白かった。西洋型のエンターテイメントに慣れている現代日本人の僕には、いろいろなことが新鮮だった。まず、人形を操る3人の人が観客から丸見えであること。見せるもの(人形)以外は見せないという西洋型人形劇と違い、巧みに息を合わせて人形を操る人も主役、繊細な動きを見せる人形も主役。また、西洋の人形と違って表情を変えない人形...
日本政策投資銀行内にある大手町イノベーションハブをお借りして、省庁と民間の方と「そもそも幸福とは何か!?」についてのワークショップを実施。...
慶應SDMのイノベーション教育・研究の成果を一般公開して社会貢献しよう!という趣旨で始まったOPEN KiDS(慶應イノベーティブデザインスクール公開講座)。今年度から丸一日(日曜の午前10時から午後5時まで)になりました。200名近い御応募の中から抽選で100名の方がご参加(もれた方、申し訳ありません。ぜひ、次回、お申し込みください!)。今日のタイトルは「システム思考とデザイン思考、徹底比較ワークショップ」。午前中...
5月4日に”上を向いて歩こう”というブログを書いた。あのときはiPhone5で撮ったイチョウの写真を載せたのだが、確かにiPhoneは鮮やかな写真を撮るときには問題ない。あのサイズであれくらいの写真を撮れるのだから、優れている。しかし、春は花や青葉がきれいなので、最近は通勤かばんに一眼レフ(Canon EOS Kiss X4 にレンズ EFS 55-250mm と EFS 18-55mm)を入れて持ち歩き、通勤途中に撮ってみたりしている。以下はその写真。や...
今日のSDM特別講義は待ちに待った濱口秀司さん。デザイン思考的に右脳を使うのみならず、システムとしてアイデアを構造化し、しかもシフトするという(左脳的)考え方は、我々慶應SDMの考え方と極めて近い。右脳×左脳=システム×デザインという考え方にも近い(濱口さん流にいうとstructuredとchaotic)し、構造シフト発想法とも近い。我々がやっていなかったことで感銘深かったのは、biasの構造をグラフ化し、その構造をシフトす...
今日もいい日だった。今日は6限に修士課程2年生のための”研究談話会”という試みが行われた。学生の発表に対して、他研究室の学生・教員が意見・助言を言う会。初回の今日は、ヒューマンラボの学生3名が30分ずつ。こう書くと新しそうに聞こえないかもしれないが、審査会のように厳しい突っ込みを入れてそれに学生が”ディフェンス”するというのとは発想を変えて、あたかもSDM全体が一体となったゼミのように皆で助言し合う会、という...
何日か前(5/2の「慶應SDMは忙しい」という記事ですね)に、秋までに本を2冊書かねばならない、と書きましたが、ゴールデンウイークの間に、幸福の本(講談社現代新書から発刊予定!)を3万字くらい書きました! 3万字というと多いと思う方もおられるかも知れませんが、本一冊が、ざっと、10万字強。よって、まだ4分の1というところでしょうか。もちろんブラッシュアップも必要なので、まだまだ山登りの2合目というところですかね...
- @
- 2013-05-08
- 本
- トラックバック : 0
Ockie Bosch先生の集中講義終了!懇親会にて、Ockieの書。なんと、はじめて書いたとは思えない、味のある達筆。隣はM1の上野さん。なぜ、祝結婚なのかというと、Ockieはこれからオーストラリアに帰り、明日は娘さんの結婚式!!!外で集合写真を撮った後で、部屋に戻ろうとしているところ。いい天気で気持ちがいい。さあ、ついにSDMにもゴールデンウイークがやってきた。といっても、今日の午後の半日のみですが... ブレーンストー...
5月5日、こどもの日。快晴。協生館の外ではアメフトの試合をやっています。中では、Adelaide 大学 Ockie Bosch 先生のワークショップ。因果関係ループとベイジアンネットワークモデリング。...
外界はゴールデンウィーク。慶應SDMはdプロ(システム思考×デザイン思考によるイノベーションの方法と実践を教える修士課程必修科目「デザインプロジェクト」)。4日から6日まで、デザインプロジェクトの集中講義中。先週に引き続き、教室ではないフラットな部屋で授業。マイクとプロジェクタスクリーンがないからと、買ってきたメガホンと家から持ってきたシーツのスクリーンで授業をするという手作り感がいい。そして、今年もや...
日吉の銀杏並木を見上げてみると、銀杏の青葉が抽象絵画のように美しかった。ちなみに、上を向くとポジティブな気分になる、という心理学の研究成果がありますね。逆に、下を向くとネガティブな気分に。上を向いて使える机を開発すれば、人々はもっとイノベーティブになれるかも。...
ある大企業の役員の方と話しているときに聞いた含蓄のあるお話。「仕事が楽しい」というのは、ない。仕事は「面白い」だ。「職場が楽しい」というのは、ある。だから、目指すべきは、「仕事が面白く、職場が楽しい」だ。「仕事が楽しい」を目指してはいけない。なるほど、幸福学の研究をしていながら「楽しい」と「面白い」の違いについて深く考えたことがなかったなあ、なるほど、そういうものか、と感銘を受けたのでした。しかし...
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)は、学生も教員もみんな忙しそうだ。6年目を迎えた慶應SDMは順調だが、問題点があるとすると、いかにタイムマネジメントをするか。僕は、毎日、朝から晩まで、様々なミーティング、授業、研究指導、共同研究、外部の委員会、SDMの会議、三田の会議。今日はゴールデンウイークの谷間だからか、奇跡的に用がないので家にいるが、5月は今日と明日以外、土日も含め...
システムズエンジニアリングの根幹となる考え方の一つであり、慶應SDMでもVモデルに則って考えることを基本としている。Vモデルには、Dual V-modelやWモデルなどの応用編も存在するが、誤解されがちなので注意を要する。Vモデルの基本は、単純である。Vモデルは、システム開発の基本的な流れ、すなわち、分解と統合、デザインとV&V(verification and validation)を表す。下図に示したように、左側はデザインがマクロからミクロに...