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3 慶應SDM用語辞典「システミックとシステマティック」

システミックとシステマティックという言葉がある。どちらもシステムを論ずるときに使われる言葉である。ちなみに、システムズアプローチという言葉もある。システムとしてのアプローチという意味だが、よく見ると、システムズアプローチには、システミックなアプローチとシステマティックなアプローチがある。システミックとは「システムとして」という意味である。システム全体を、丸ごと全体として、という意味である。ホリステ...

3 慶應SDM用語辞典「システムの科学と哲学」

慶應SDMの基盤はシステムズエンジニアリングだが、近い学問分野として、システム科学やシステム理論がある。システム科学はSystems Science。システム理論はSystem Theory。いずれも、そもそもシステムとは何で、どのような挙動を示すものか、ということ自体にフォーカスするものだ。SDMではこれらの考え方が意識して教えられることは(私の講義やゼミを除くと)少ないけれども、本来は、システムについて考えるときの基盤となるも...

進化する大部屋、進化する慶應SDM

慶應SDMといえば土曜日。ちまたではゴールデンウィークというそうですが、今日は1限が「SDM序論」、2限は「コミュニケーション」、3〜5限は「デザインプロジェクト」、午後6時半から9時までヒューマンラボのゼミ。1限には湊宣明特任准教授による因果関係ループの授業。2限はプレゼンテーションの極意(情熱的なプレゼンの練習、メタプレゼン、ポスチャー&ゼスチャーなど)(前野)。午後のデザインプロジェクトでは、実現子(enab...

慶應義塾大学アートセンター主催ビショップ山田舞踏講座に参加

慶應義塾大学アートセンター主催新入生歓迎行事、ビショップ山田氏舞踏講座、公演、ワークショップに参加。来往舎にて。実は舞踏を初めて見たが、ビショップ山田氏とその振り付けによる暗黒舞踏は強烈だった。以下、メモとして、ビショップ山田氏の言葉の一部をそのまま掲載。舞踏とは、麻痺と分裂と崩壊の王国。非合理の仕組みを引き出すこと。コンテンポラリーダンスと舞踏は関係ない。体の影の部分を取り上げる。狂いは、合理か...

オランダ元首相バルケネンデ教授の講演会@三田演説館

オランダ元首相でエラスムス大学教授のバルケネンデ氏の講演会が三田キャンパスの演説館で行われた。2009年に慶應SDMとの深い関係がもとで慶應の名誉博士号を授与したのがご縁で、今回もぜひ慶應で講演したい、とおっしゃったことから実現。講演タイトルは"Three Arrows Policy for Entrepreneurship, Innovation and Sustainability"。起業家精神、イノベーション、サステナビリティーはこれからの時代、どれが欠けてもいけない、...

僕は日本人である前に地球人でありたい

多くの国会議員が靖国神社に、というニュース。かつてない数の中国船が尖閣諸島(魚釣島)沖に、というニュース。どちらも残念に思う。僕個人の意見を述べたい。慶應SDMで教えるシステムズアプローチでは、問題の的確な把握のために「多視点」の吟味を勧める。当然ながら、広い視点は狭い視点を包含する。日本人の視点、中国人の視点、アジア人の視点、地球人の視点を吟味したら、靖国参拝というソリューションが最適だということ...

南伸坊さんによる僕と池上彰氏の本の書評

南伸坊さんが、今日発売のサンデー毎日(5月5日号)に、拙著『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』と池上彰氏の『この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」』の書評を書かれたそうだ。ありがとうございます。ちなみに、先ほどは、講談社の企画による斎藤慶典氏(慶應義塾大学文学部哲学科教授)との対談を行った。斎藤先生は僕の上の本と同じ頃に講談社から『中学生の君におくる哲学』という本を出されている。中等...

僕はどうしてこんなに植物にいやされるようになったんだろう

下の写真はうちの小さな庭の一部。母が植えた様々な植物。母は花が好きで、前に広島にいた頃には確か100種類以上の花を植えていたものだ。20代の頃、僕は大自然が好きで、たとえばアメリカの国立公園の壮大さには感動したが、庭の小さな花にはあまり興味がなかった。当時は見たこともない景色を見るのが好きだった。しかし、最近は、小さな花にも感動するようになった。大きさなんか関係ない。庭の花には大自然の驚異が込められて...

慶應SDMとヒューマンラボのポスターセッションを開催

夕方から、慶應SDMの各ラボのポスターセッション。学年の壁を越えた交流のため。6階の廊下がひとでいっぱい。今年のSDMも、活気があり多様で楽しい。そのあと、ヒューマンラボも初の試みとして、メンバーそれぞれのポスター発表会@C3N14。たくさんの方にご参加いただき、大盛況。こちらも活気×多様。ゲストも企業や他大学と多彩。そのあと白坂先生と牧野先生の誕生会も。今年も、右脳と左脳を鍛えよう。...

生命型の会議とは?

ある企業で、慶應ビジネススクール(KBS)の高木晴夫先生の「12人の怒れる男」のワークショップに参加する機会があった。高木先生はもともと生命型の組織論等の研究をされており、僕が10年前から関わっている故吉田和夫先生の「生命化」などと考え方が近いので、何か連携できないかと前からお話ししていたのだが、今回お話を聞けて有益だった。下図は、高木先生のお話をもとに、自分の考えを書き加えた、従来型の会議と、自由でイ...

システム思考とデザイン思考、徹底比較ワークショップ

以下の記事、フェースブックに掲載していましたが、考えてみるとフェースブックは友達にしか届かないが、ブログは誰の検索にも対応している。だから、ブログに載せておいた方がいいのではないか? そう思ったので載せてみました。OpenKiDS 5月12日 未来デザインワークショップ 参加者募集お待たせしました!今年度のオープンKiDS(慶應イノベーティブデザインスクール)第1回『システム思考とデザイン思考、徹底比較ワークショ...

SDM新卒学生の就職活動絶好調

今週になって新卒学生の就職内定ラッシュ。理系学生の就職がいいのは驚かないが、文系の学生も、そんなにいいところに、という内定報告を、きのう、今日と、何件も聞き、手応え十分。特に、学部4年生のときに行きたいところに行けなかったから自分を鍛え直そうと思って慶應SDMに入りたい、と2年前に相談してきた学生が、2年前には歯が立たなかった企業に1番で内定をもらった、と喜んで報告してくれる等、うれしいニュースの連続。...

Unity out of diversity

27年ぶりに来日したスー・チーさんの京大での言葉。ミャンマーには、Unity out of diversity が必要だ、と。究極的には、世界にも必要だ。世界平和のために。You must believe that there are others who care for you because we are all human beings living on this planet. (あなたのことを気遣ってくれる人が必ずいるということを信じなさい。なぜなら、私たちは皆この惑星にすむ同じ人間なのですから。古館伊知郎のインタビ...

慶應SDMで博士号を取得するとはどういうことか

慶應SDMについて色々と述べてきたが、ついつい学生の多数を占める修士課程の話をしがちである(修士課程、博士課程の定員は、それぞれ、1学年77名および11名)。博士課程についても考えを述べよう。その前に、まず、一般に博士とは何か。1991年の学位規則改正までは、工学博士、経済学博士のような分類だったが、改正後は、博士(工学)、博士(経済学)のように専攻分野名が括弧内に記述されるようになった。一見、同じようなもの...

3 慶應SDM用語辞典「システムズエンジニアリング」

年初より、このブログのカテゴリ「SDM学の本の原稿」ではSDM学について連載することにしているが、2月16日に「システムデザイン・マネジメント」について書いて以来筆が止まっていた。初回(1月3日)のブログを見ると、システムズエンジニアリング/SE/システム科学とシステム哲学/システミック/システマティック/創発/モデリング/シミュレーション/UML・SysML/モデルベーストデザイン/システムアーキテクティング/ベリ...

「4つのR」でストレス予防

日経ビジネス4月15日号に、表記の記事が出ていた。ストレスの多い現代社会。リラクセーション、レクリエーション、レスト、リトリートの4つのRを満たすことがストレス予防のために重要だという。リラクセーション:神経をしっかり休めることレクリエーション:遊ぶ、楽しむ、笑う、心身をリフレッシュすることレスト:体をしっかり休めることリトリート:非日常に身を置き、心身を養生することちょうど合宿の帰りの電車の中で読ん...

今年も慶應SDMの春合宿を堪能!

慶應SDMでは、毎年春に2泊3日の合宿を行っている(今年度から秋にも行う予定!)。修士課程、博士課程の新入生(今年までは前年秋学期入学者と今年度春入学者。今年度の秋からは入学直後にセメスターごとに行う予定)と教員が全員参加し、SDMの基本的な考え方を学ぶとともに、互いを深く知り合う場としてのブートキャンプ(bootcamp)。2日目の今日は、福澤研究センター准教授の都倉武之氏による福澤学の講義「福澤諭吉の服装から...

万里無雲万里天

万里雲無し、万里天(どこまでも雲はなく、その天は無限に広がっている。禅語)。今日もいい日だった。特にふたつ。ひとつは、まだ詳細は公開できないですが、ある学生が5月に起業する話。ふたつめは、ハワイ三田会会長の松本さんらとの交流の話。表題の「万里無雲万里天」は、ハワイ三田会会長の松本さんがおっしゃっていた言葉。心に響いた。好きな曲は When you wish upon a star だということでも意気投合。1896年に福澤諭吉が...

デザインプロジェクト英語クラスもスタート

慶應SDMの看板科目の一つ「デザインプロジェクト」一昨年までは、この講義は基本的に英語でした。昨年は日本語で試行(一部英語も)。今年は、ラーニングフェーズ(方法論や手法を学ぶフェーズ)は日本語クラス(土曜クラス)と英語クラス(水曜クラス)に別れ、学生はどちらに出てもいいし、両方出てもいいという方式に。第2フェーズ(アクティブラーニングフェーズ)、第3フェーズ(デザインフェーズ)では海外からの学生と国内...

慶應SDMの「起業デザイン論」始動!

起業家の橋口寛氏、富田欣和氏らによる慶應SDMの新設科目「起業デザイン論」が今日からスタート。ビジネススクールのアントレプレナーシップの授業とは異なり、SDMの必修科目(コア科目やデザインプロジェクト)と関連付けながらシステムとしての経営を考える、SDMらしい実践的科目。ベンチャーの起業や社内起業(新規事業立ち上げ)を目指す人のために今年度から開始。Only way to do is TO DO IT. や PASSION という単語が飛び交...

東大にもSDMがスタート

東京大学工学部システム創成学科にSDM(システムデザイン&マネジメント)コースができたそうだ。システム創成学科はもともと精密機械工学科・船舶工学科・システム量子工学科・地球システム工学科の4学科を統合して2000年に発足(その後、旧精密機械工学科が2006年に精密工学科として分離独立)したもので、もともと以下の3つのコースから成っていた。  環境・エネルギーシステム(E&E)コース(システム創成Aコース)  シミュ...

慶應SDM6年目の授業開始!

台風のような暴風という予報の中、今年度も授業開始。どうなる、SDM!?今日は1限の必修コア科目「システムデザイン・マネジメント序論」、2限の選択科目「コミュニケーション」、3〜5限の必修プロジェクト科目「デザインプロジェクト」であわせて4時間以上話した。さすがにのどがガラガラですが、今年も学生の目の輝きと活気に多いに手応えを感じました。嵐の予兆の中というより、新しいものが生み出される予兆に満ちた一日でし...

慶應義塾湘南藤沢中等部の校章

紛らわしいものを公開して恐縮ですが、これは慶應SDMの校章ではありません(しかもこれは中学校(慶應義塾湘南藤沢中等部)のもの)。慶應SDMは日吉駅前。SFCは藤沢湘南キャンパスです。ついでにいうと、システムデザイン工学科は日吉駅から歩いて10分の矢上キャンパス(理工学部)、システムデザイン・マネジメント研究科は日吉駅前協生館。こちらも別のものです。...

大学院入学式

今日は慶應義塾大学大学院の入学式。SDMにもはやいもので第6期生が入学。今年度も楽しみです。...

Appendix

プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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