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大転換時代を生き抜くためには?

大転換時代を生き抜くためには? という寄稿記事が日本政策投資銀行の季刊DBJ No. 18(2013年1月号)に掲載された。以下、全文。絡み合う大量の糸のようにあらゆる問題が相互作用する現代 現代は大転換時代である。歴史を俯瞰的に捉えれば、今は、農耕革命、産業革命に匹敵する、情報革命という大転換の夜明けである。 産業の中核は、ものづくりからことづくりやサービスシステムの構築へと大きく転換している。政治は、イデオロ...

東大i.schoolイノトーク

東大本郷キャンパス伊藤国際学術研究センターにて、東大i.schoolイノトーク「Roundtable on History of Design with Professor Barry Katz」に参加。Prof. Katzはスタンフォード大学のConsulting ProfessorでIDEOのFellow。質問に答えてdesign thinkingはmethodologyではない、とおっしゃっていたのが印象的だった。...

米沢は今日も雪だった

山形大学工学部次世代ロボットデザインセンター講演会にて「ヒトの触感認識メカニズムの解析と評価」について講演。電通大の梶本先生と。そのあと、野々村研の学生さんが作ってくれた米沢牛のステーキ、どんがら汁、義経焼き等で懇親会。あたたかいおもてなしに感激。ありがとうございました!楽しかった。寒かったけど。写真は大学の構内。...

3 慶應SDM用語辞典「システム」

今日から第3章。言葉の定義に入ります。先ずはシステム。「システム」まず、慶應SDMにおける、「システム」の広義の定義について述べよう。システムとは、複数の要素が相互作用するとき、その全体のことである。そして、システムは創発する。創発とは、要素の振舞を見ていても生じない振舞が、要素の相互作用するシステムにおいては見られるということである。たとえば、弓矢はシステムである。弓と矢という複数の要素から成り、両...

デザイン思考の世界的潮流と慶應SDMの取り組み

日本創造学会で「デザイン思考の世界的潮流と慶應SDMの取り組み」と題して講演をした。もちろん慶應SDMのスタンスは、デザイン思考の拠点というよりも、ポストデザイン思考、ないしは、システム×デザインというアプローチ。不思議なことに日本ではクリエーティビティー(創造性)やクリエーション(創造)とイノベーションが別々の文脈で語られる傾向があり、相互交流を図るべきだと感じた。ヨーロッパには ECC (European Conferen...

ブランディング22の法則

『ブランディング22の法則/アル・ライズ、ローラ・ライズ』(東急エージェンシー1999)にのっとって、慶應SDMを分析してみた。目次:1 拡張の法則2 収縮の法則3 パブリシティーの法則4 広告の法則5 言葉の法則6 信用力の法則7 品質の法則8 カテゴリーの法則9 名前の法則10 ライン延長の法則11 協調の法則12 ジェネリックの法則13 企業の法則14 サブブランドの法則15 兄弟の法則16 形状の法則17 色調の法則18 国境の法則19 一貫性...

3 慶應SDM用語辞典

SDM学の本。第3章は、用語の定義を書きながら、SDMのフィロソフィーと具体的内容を伝えたいと思う。辞書のように見ていただいてもいいし、読み物として順に読んでいただいてもいい。まずは、どの用語を説明すべきか、書きだしてみた。いまのところ、かなり前野流になっているので、SDMの皆さん、足りないものがあったら、教えてください!3 慶應SDM用語辞典<SDM全般>システム/デザイン/マネジメント/システムデザイン・マネ...

The 7th KBC Business Contest 最終審査会

日吉キャンパス協生館の藤原記念ホールで行われたThe 7th KBC Business Contest 最終審査会に審査員として参加。慶應義塾の学生、OB/OGのビジネスコンセプトの最終審査。最優秀賞のCharat(クールジャパンを世界に広げるサイト、賞金50万円等)はじめ、中間審査を勝ち残った6組はいずれもプランの完成度と熱意がすばらしかった。慶應のいろいろな学部・研究科の人たちの熱き心意気を堪能させて頂き、パワーを頂きました。ありがと...

誕生日

今日は授業とゼミ(ヒューマンラボ)。サプライズのバースデーパーティーを開いて頂きました。楽しかったです。みなさん、ありがとうございました。しあわせです。51歳も、がんばります!!!...

2 いま、大学の何が問題なのか?(その2)

 昨日、「いま、大学の何が問題なのか」というブログを書き、フェースブックでも紹介したら、いいねやシェアが相次ぎ、ブログの読者数が一瞬のうちに数百人に。おとといの内田さんの話に出ていたYouTube視聴者数百万人には遠く及びませんが、インターネットの拡散の早さに驚きました。賛同の声も多かったのですが、「こんな批判的な発言をして、立場は大丈夫ですか?」というような誤解も。読者が増えると賛同者も批判者も誤解も...

2 いま、大学の何が問題なのか?(その1)

2章を書きます! ちょっと過激ですが。なお、以下は私自身の個人的な意見であり、いかなる組織の考えを代表するものでもないことを(つまり慶應SDM研究科委員長としての意見ではなく、一個人としての意見であることを)あらかじめお断りしておきます。2 いま、大学の何が問題なのか?大学の22の問題点 第1章では、SDM学が解決すべき社会の問題について述べた。第2章では、慶應SDMが置かれている大学教育界における立場...

「ココロの刺し方」

自称サラリーマジシャン(手品もするコピーライター)の内田伸哉さん(現在は電通社員)による慶應SDM公開講座「ココロの刺し方」を実施。150名の教室が満席。ココロに刺さる企画の作り方(”バズる”方法)の話。話術巧みで、情報量が多く、ヒントにあふれた名講演。氏のiPad MagicはYouTubeの再生数世界一になった日もあるというが、これは、いかに話題になるかをGoogleトレンドなどのデータを駆使して戦略的に考え、iPad発売時期...

1 いま、社会の何が問題なのか?(その3)(1月11日の続き)

「システム」「デザイン」「マネジメント」の視点から俯瞰的問題解決を どうすれば、周回遅れの危機を乗り超え、国際競争力を回復できるのだろうか。 答えはシンプルである。(1) ネットワーク型の社会構造を活かし、様々な学問と多様なステークホルダが力を合わせ、ものごとの関係性を多様な視点から俯瞰的に捉え、混沌を整理し、相互理解すること(システムとしての理解)(2) 理念・ビジョンのレベルから要素のレベルまで...

大野氏、外木場氏が野球殿堂入り

元広島・大野氏、外木場氏が野球殿堂入り広島育ちでカープファンの私としては、昨年(北別府と津田)に続き、感無量です。外木場氏「信じられない」 思い出は広島初優勝同感です。三年連続最下位のあとの悲願の初優勝。広島の町がものすごい感動に包まれた、あの中2の時の感動は、一生忘れません。殿堂入り大野氏「江夏さんと古葉監督のビンタ忘れない」体罰は御法度という現代社会では、こんな、本人が感謝する愛の鞭も失われて...

1 いま、社会の何が問題なのか?(その2)(1月5日の続き)

本の原稿をブログで書く、と決めたものの、やはり日々の仕事に終われ、なかなか進まないですね。今日は、1 いま、社会の何が問題なのか?(1月5日)の続きを。ボトムアップとトップダウンの綱引きが続く 世界中の人々が、ボトムアップに様々な行動を起こし、様々につながりあえる様を強調してきた。これは間違いなく大きなうねりである。では、それだけでことは足りるのだろうか。 この大きなうねりと、対抗するもう一つの大き...

教育の収益率

今日は福澤諭吉生誕記念日のため大学は休み。とはいえ来てますがw今日の朝日新聞に教育の収益率の話が出ていた。日大の乾友彦教授が、教育を1年長く受けたら賃金がどの程度上昇するかを一卵性双生児で調査したという。結果は、教育が1年長いと年収9.3%増。中国(約4%)を大きく上回り、英米(7〜10%)と同水準だったというので、日本は意外に高い。ということは、単純計算だと、2年で19%増。年収500万の人は600万円に、1000万...

慶應SDMのシステム思考×デザイン思考体験ワークショップ

COCNの「イノベーション創出に向けた人材育成」のグループの方々に対し、慶應SDMのシステム思考×デザイン思考の体験ワークショップを実施。4時間の間に、ブレーンストーミング、親和図法、シナリオグラフ、構造シフト発想法、CVCA、WCA、プロトタイピングという盛りだくさんの内容を紹介。テーマはイノベーティブな人材をいかに育成すべきか。さすが、デザイン思考やイノベーションを企業や省庁で先導されている方々のアウトプット...

新著、発売。

新著、今日発売。一番左です。ついでに、ちゃっかり、お勧めの本も宣伝。人生観、変わりますよ、どれも。  ...

「和して同ぜず」と 「人事を尽くして天命を待つ」

幸福の4因子は、①自己実現と成長、②つながりと感謝、③楽観性、④人の目を気にしないこと、の4つ(講演論文はこちら)。これを友人の佐々木俊郎君に話したら、それは、「和して同ぜず」「人事を尽くして天命を待つ」ではないか、と。和して=②つながりと感謝同ぜず=④人の目を気にしないこと人事を尽くして=①自己実現と成長天命を待つ=③楽観性おお、さすが。整合する。なるほど、古人の知恵に納得。佐々木君の知恵にも感動。...

天国の音楽会

バイオリニストの清水有紀さん(HPはこちら)にお誘い頂き、清水さん主宰のHeavenly Sounds Concert@サントリーホールに行って来ました。 すばらしかった。何がすばらしいって、基本的にはプロの方のコンサートなのですが、それに留まらず、木越洋先生(チェリスト)などの多くの超一流の方から、アマチュアのすばらしい方、高校生(インターナショナルスクールの方)まで、年齢も経歴も様々な方が、心のこもった音楽を楽しみなが...

1 いま、社会の何が問題なのか?

ではさっそく、1章から書き始めます。1 いま、社会の何が問題なのか?現代は大転換時代である 少子高齢化、国際競争力の低下、縦割り組織の弊害、政治の混乱、外交問題、震災などの災害対策の問題、格差拡大や福祉の問題など、日本国内には様々な問題があふれている。日本は閉塞感の時代を迎えていると言われる。では、なぜ、このような問題が生じたのだろうか。様々な要因が考えられるが、ミクロな要因はひとまず置いておいて...

SDM学の本の目次

某出版社からSDM学の本を書くことになっているが、筆がほとんど進んでいない。冬休みにひとりでブレスト(ブレーンストーミング)していて、ブログに書きためていくという一石二鳥の方法を思い立った!? (ちなみに、写真は、A3サイズの紙の上で、細い付箋を使って”一人ブレスト”したもの。このサイズだといつでもどこでも一人ブレストできます。お勧め!)まずはブレストで目次を書いてみた。みなさん、ご意見があったらお知ら...

主観・客観からプロジェクトへ

正月の思索。主観/客観という二項対立図式を超えることがポスト・システム思考だ、と以前「思考脳力のつくり方」(角川oneテーマ21、2010年)に書いたが、これは、「subject/objectからprojectへ」ということなんだ、と思うに至った(図参照)。ごろもいいし。と思ったら、同じようなことを考えている人がいた。「サブジェクトからプロジェクトへ」(ヴィレム・フルッサー、東大出版会、1996年)そもそも-jectの語源は何なのだろ...

「薔薇のハート」の年賀状または「眼球摘出」の年賀状

明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。毎年、年賀状作りには燃える私ですが、今年はバラのハートをアレンジしてみました。欲求連鎖分析の定義から考えると、一見、赤いハート(情熱のバラのハート)に見えますが、実はそれを、見えないところでしっかりと緑の葉(利他のハート)が支えているという美しい構図になっております。つまり、「私達は幸せになりたい」と言っているようで、実は「みんな...

Appendix

プロフィール

Takashi Maeno

Author:Takashi Maeno
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)ヒューマンシステムデザイン研究室教授
慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼務
前野隆司

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