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幸福度診断Well-Being Circle

健康診断をするように、幸福度診断を。

幸福度の高い人は、寿命が長く、健康で、自己肯定感が高く、やる気があり、多様な仲間を持ち、感謝をし、利他的であり、前向きでもあり、自分らしくワクワクしながらライフとワークを満喫している人々であることが知られています。また、幸福度は健康と同じように、日々変化します。

つまり、自らの健康状態を把握して「健康に気をつける」ように、自らの幸福度を把握して「幸せに気をつける」時代がやってきたのです。

また、幸せは写ることが知られています。あなたが幸せならば、あなたの周りの人も幸せなのです。あなたの幸せが世界中のみんなに広がれば、みんながそれぞれの生きがいとやりがいを持ち、みんながみんなの活動を尊重し、応援し、助け合い、みんなで豊かな地球生命圏を守り続ける平和な世界が実現できるでしょう。言い換えれば、SDGsの上位概念である世界人類の幸せが実現できるでしょう。

このため、人々の幸福度の把握に寄与するために、一般社団法人ウェルビーイングデザインでは、無料幸福度診断Well-Being Circleを開発しました。

スライド1のコピー

72問の質問に答えることによって、幸福度に関連する34の項目を把握することができます。幸福度向上のためのヒントもご覧いただけます。また、半年ないしは1年おきくらいに繰り返し測定することによって、あなたの幸福度の推移を把握することができます。もちろん、個人情報は厳格に保護しますのでご安心ください。個人向けは無料。例えば、研修やコーチングのようなビジネスの際に顧客に個人アカウントを作ってもらって測ってもらうのも自由です。ただし、自社や顧客のデータをチームごとやグループごとに把握したい場合は、有料となりますのでご相談ください。

私の夢は、世界中のすべての人が、自分の個性や強みを生かし、多様な仲間と助け合いながら、生き生きと生きる世界を、みんなとともに構築すること。みなさん、ぜひ、ともに歩みましょう。

プレスリリースのページはこちら

デュアルキャリア・カップルの幸福論(ハーバードビジネスレビュー2020年2月号)

ハーバードビジネスレビューの表紙に夫婦で名前が載る日が来るとは!

1/10発売のハーバードビジネスレビュー2020年2月号は、「デュアルキャリア・カップルの幸福論

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昨秋に出た英語版では「How Dual-Career Couples Make It Work」という特集が組まれており、やり手っぽい欧米人夫婦の写真が載っていました。

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日本語版では、夫婦で取材していただきました。面白い記事に仕上がっていますので、ぜひお読みください!(英語版と同じポーズにすればよかったね(マドカ談))

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島田由香さんの記事も!

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以下、内容紹介です。

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明けましておめでとうございます

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母の手作り年賀状。着物の生地を使っています。一番上が僕の年賀状。2番目は母の年賀状。撮影は僕。EOS 6D。

障がい者から挑戦者へ

英語では最近は「disabled」ではなく「challenged」と呼ばれる。

日本語も「障がい者」ではなく「挑戦者」にすべきではないか。

そのようにfacebookに書いたら、障がい者の友人から、「はい、私もchallenged」と名乗っています、という返事が来た。はい、それでいいのですが、私が言いたかったのは、日本語の「障がい者」という単語自体をそもそもやめて、日本語でも「挑戦者」と呼ぶことにしましょうよ、という提案です。英語の「challenged」が今では挑戦者と障がい者という2つの意味を持つように、日本語の「挑戦者」という言葉に挑戦者という意味と今の障がい者という意味を持たせるようにすべきなのではないか、というのが私の提案なのです。

障がい者のことに限らず、日本語の無意識のネガティブを撲滅したい。

最近の若いビジネスマンは、朝っぱらから「お疲れ様です」と挨拶する。

昔は「お疲れ様」は帰り際の挨拶だった。疲れたことをねぎらう言葉だ。しかし、僕は別に仕事をしても疲れないから、夜に帰るときに「お疲れ様」などというネガティブな言葉をかけてもらいたくない。

そんなネガティブな単語をさらに朝から口にするとはどういうことだ。

アメリカでは、"How are you doing?" と聞かれたら、昔は "Fine." と答えていたものだが、最近は "Excellent!" や "Incredible!" である。つまり「すばらしい」や「信じられないくらいすばらしい」と返事する。このハイパーポジティブ。

日米真反対。朝の挨拶のこれだけの差が、アメリカと日本の活力差の原因のひとつになっているのではないか。

他にもたくさんある。日本のネガティブと、アメリカのポジティブ。

あ、もちろん、アメリカが全て素晴らしくて、日本は全てダメ、と言いたいのではないですよ。アメリカ人はもう少し謙虚になってもいいと思いますが、日本人はもう少しポジティブになってもいいと思うのです。

ひとつ別の事例を挙げて終わりたいと思います。

妻がアメリカの公園で3歳の息子を遊ばせていたときの話。アメリカ人の3歳くらいの子供が走っていて、転んだそうです。そのお母さんは、何と言ったと思いますか?

"Good job!"

だったそうです。日本だと、「大丈夫?」あるいは「走っちゃダメって言ったじゃない!」ではないでしょうか。どちらの方が、ポジティブでチャレンジする人に育つでしょうか。明らかですよね。

幸せな職場を作るワークショップ実践報告

どんな職場も幸せになれる 〜幸せな職場を作るワークショップ実践報告〜

トップが利益至上主義で有名な(!?)ある会社(従業員1万人)。にもかかわらず、ある事業部(数100人)のトップと人事の方が「うちの部門は幸せに働く職場にしたい」とおっしゃって、これまでに何度か会社に呼んでいただいた。

嬉しかったこと、その1
半年前に、この部門の希望者を集め、幸福学の講演と、幸福度を高めるためのアイデア出しのワークショップを行った。盛況だった。そのとき出たアイデアの一つイントラ「幸せ共有チャンネル」。すぐに実行され、今も続いているという。部門トップの方の声。「細く長く続け、公私の多様な幸せがシェアされています。飲み会の後は、飲み会の写真だらけになりますけどね(笑)」みんなが幸せになるための活動は、無理せず、細くてもいいから長く続けるのが正解ですね。

嬉しかったこと、その2
今日は部長以上全員が集まってワークショップ。
幸福学の基礎の復習の後、職場で幸せの4つの因子のどれができていてどれができていないかを出し合うワーク(写真のピンクの付箋)。そして、改善案のアイデア出し(写真の黄色の付箋)。さらに、短期・長期にどれを実行していくかの具体化のための話し合い(このワークはどの職場・チームにもオススメです!)。

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幸せの4つの因子のワークショップ

その結果、やることになったアクションがこちら。

•英語マスター、PPTマスターなどの新たな称号を設けて表彰する。皆で案だしをする。ボトムアップ評価につながる。
•失敗をポジティブに収集する方法を考える。
•ランチの時だけみんなで集まって対話するような働き方にする。
•オフィスにいる者はテレカンで顔出しして表情を見せる。自宅ではアバターでもOK。
•既存事業か新規事業かによって、人事ルールを変える。新規事業は失敗を奨励すべきなので。
•土日のメール禁止。
•PPT資料の無駄を減らす。部長会の資料はなくす。
•権限の委譲を推進する。

「うちの会社では幸福学なんて難しいですよ」とおっしゃる会社も多いが、この事例は素晴らしい希望だ。「自分の部門だけでもみんなで変えるんだ」と部門のトップが決意すれば、その部門は変わる。この部門長は上と下からの板挟みで大変なのだろうと想像するが、全く弱音を吐かず「自分の部下には幸せに働いて欲しいんですよ」と熱く語る。すばらしい。今日もこの方のリーダーシップをみていて、胸が熱くなった。また、管理職たちが口々に「いいワークショップだった」と仰りながら爽やかに職場に戻っていかれる姿が清々しかった。

今日もまた、再確認することができた。誰もがみんな、幸せになれる。幸せになると決意さえすれば。

SDGs×幸福×経営 シンポジウム

2019年11月15日、慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホールにて、「SDGs×幸福×経営 シンポジウム」を開催しました。若い登壇者のみなさんの熱い思いが申し込み1000人以上というたくさんの聴講者のみなさんに届いた、すてきな場となりました。ありがとうございました。

講演中に、「私の講演の資料はブログにアップします」「pdfは使いにくいので、pptファイルでアップします。どんどん使って幸せを広めてください」と言ったら大きな拍手をもらったのが嬉しかったです。みなさん、ぜひどんどん使って、幸せな世界を広めてください。

私の講演資料のpptファイルはこちら
私の講演資料のpdfファイルはこちら

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いやあー、楽しかったですねー。3人の登壇者、みなさん素敵でした。

今日jの企画と司会を行ってくださった河上伸之輔さんの素敵さについては、一般社団法人ウェルビーイングデザインのブログに記事を書いていますので、ご覧ください。
https://www.well-being-design-blog.com/post/kawakami-sdgs

石坂産業の石坂典子さんは、ホワイト企業大賞でもご一緒させていただいています、すてきな方です。記事がたくさん出ているのでご覧ください。
https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/1989/
https://business-leather.com/bp/interview/1083
https://www.foresight.ext.hitachi.co.jp/_ct/17170598

そして、西岡徹人さん。またまた熱き素晴らしい経営者。記事読んでください!
https://www.gifu-np.co.jp/kikaku/leader2019/20190101-102360.html
https://www.projectdesign.jp/201907/sdgs-core-business/006575.php
https://www.atpress.ne.jp/news/174055

シンポジウムの最後に述べましたが、若い素敵な経営者たちとお会いしていて、これからの世界も捨てたもんじゃないな、と思いました。みなさん、芯が通っていて、しかも謙虚。思いがものすごく強くて、しかも強すぎない。かっこいいなー。本当に、心から尊敬します。そんなことを感じたシンポジウムでした。良かった。すばらしい。幸せ。ありがとう。未来は明るい。登壇してくださった方々、参加してくださった老若男女の方々、そして、金沢からも全国からも来てくださったボランてシアスタッフの皆様。みんな、ありがとうございました。世界の未来は明るい。もっと明るくしましょう。みんなで明るい未来を創りましょう!




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「幸せな職場」のつくり方

HRカンファレンスにて、

「幸せな職場」のつくり方〜従業員が幸せになれば会社が伸びる〜

と題して講演しました。その際に、講演資料はいくらでも社内外で使っていただいて構いません、と述べたので、ここにもUPしておきます。ご利用ください!

pdfファイルはこちら
pptファイルはこちら

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アートとウェルビーイングWORKSHOP

10月27日に慶應SDMヒューマンラボ主催「アートとウェルビーイングWORKSHOP」(Art and Wellbeing Workshop)を行いました。

ここで用いた説明資料は以下です。
↓↓↓↓↓↓
ArtWellbeing2019.pdf

みんなの写真を掲載したフェースブックページはこちら
↓↓↓↓↓↓
アートとウェルビーイングworkshopのページ

フレデリック・ラルーの「目的(purpose)」の話

2019年9月、『ティール組織』の著者フレデリック・ラルー氏が来日した。私は運良く9/13の講演会のみ参加できたのだが、9/14に500人が集まった講演会で、ラルー氏が以下のように述べたことが話題になっている。

「あなたが目的(purpose)を発見するのではなく、目的があなたを発見するのだ」と。目的は、用意のできている人のところに降りてくるのだという。

これについて考えを述べたい。基本的な方向性には賛成なのだが、スピリチュアルではなく、論理的・科学的な解釈を述べたいと思う。

まず、論理的・科学的に見ると、目的は生物ではないので、「目的をあなたが発見するのではなく、目的があなたを発見する」という文章自体が矛盾であるように思える。たしかに、この文章は論理的な文章というよりも詩的な文章というべきであろう。ただし、詩を解釈するときと同様に、以下のように補足をすると理解できる。

「人間の心の認知というものは、目的を自分で発見するといった能動的なメカニズムに基づいて形成されていると考えられがちだが、あたかも目的が自分を発見したかのように自分を捉える受動的メカニズムによって成り立っていると考える方が妥当なのではないか」
(つまり、人間の意識が何かを決定すると考えるよりも、脳と身体の無意識的な自律分散的メカニズムと外部世界とのインタラクションの複雑な偶然にあらゆる選択は委ねられていると考えるべきではないか)

あるいは、

「人間の心というのは、目的を自分で発見しにいこうとする仮説検証思考で考える時よりも、目的が自分を発見すると捉えるくらいにオープンで自由な状態でいるときに最もイノベーティブかつ創造的であるので、目的を見つけるような創発的な問題解決の場合には後者の方が有効である」
(要するに、何かに集中して着目しているときはイノベーティブではなく、ルーチン課題解決モードである。一方、目的や合理的判断(や、いわるる狭い意味での「べき」思考)は手放し、リラックスしてフロー・ゾーンに入っているとき(前者とは異なる、マインドフルな集中をしているとき)に人は最もイノベーティブである)

前者は受動意識仮説。拙著『脳はなぜ「心」を作ったのか』に詳しく書いたので読んでみていただきたい。後者はイノベーション論。拙著『システム×デザイン思考で世界を変える』参照。ラルーの『ティール組織』も拙著『幸せの日本論』『思考脳力のつくり方』で書いたことの別バージョンだと思う。ちょっと著書の宣伝のように見えるかもしれないがそうではない。ティール組織のフレデリック・ラルーも、サピエンス全史のユヴァル・ノア・ハラリも、世界をGlobal(地球的)な全体として、歴史を人類史全体としてみようとしている点で共通している。そういう時代なのである。大きな変化をとらえるべき時代。

なぜ、ラルーやハラリのようなスケールの大きい物語が流行るのか。
個人主義(個の独立を重視する世界観。悪く言えば、自分のことばかり考える主義)だけでは世界は立ち行かないことが明確になった現代社会において、ホリスティックな見方が注目を集めているということなのではないか。

実はこれはいまに始まったことではない。むしろ既視感のあるムーブメントである。

印象派画家への浮世絵の影響(遠近法や写実主義を超えた主観的な描き方への注目)や、ポストモダン建築への日本の影響、ポストモダン哲学やニューエイジカルチャーへの仏教(たとえば鈴木大拙)の影響など、歴史的に、近代西洋型の合理的なやり方が行き詰まったときに、東洋・日本(ないしは古代)に注目した者が西洋で注目される(そして、日本はそこに注目する)ということが何度も繰り返されてきた。

今回もそれの再来である。ラルーのティール組織は、もともとケン・ウィルバーや、もっとたどればマズローやアドラーやユングが、東洋・日本からの影響も受けたことに端を発する。

だから、日本の研究者から見ると、「いやいや、そんなことは前から我々が考えていたことであって、その表層だけをすくってあたかも新しいことかのようにいわないでください」と言いたくもなる。しかし、謙虚に考えると、表層的な面もなきにしもあらずとはいえ、東洋のホリスティックなありかたが西洋に理解されるばかりか、西洋流の論理的・合理的な考え方によって整理されたからこそ世界に環流するという意味では、とてもありがたいことだと思う。

東洋の深遠な思想が世界に理解され尽くされるまで、環流の既視感は繰り返すのだろう、なんてふと思う。人類が愛しい。

【陰謀論】再考

あるT大教授と話していたときのこと。T大教授曰く。

「歴史とは、政治が宗教を人心掌握のために利用してきた歴史ですね。」

なるほど。賢い人はそうみるのか、と感心したが、言い返してみた(笑)。

「いやいや、為政者は、宗教を利用したのではなく、本当にその考えに心から賛同していて、これを広めることが世のためだとピュアに考えたからこそ広めた、という可能性もあるのではないですか?」

T大教授「面白い考え方ですね。しかし、様々な史実から考えて、やはり為政者や政治家は宗教を利用したと考えるべきでしょう」

私。「いやいや、すべての史実は、当時の情熱的な為政者が、その志として、人生をかけて、信じるものを広めようとしたんだと、僕は思います」

T大教授「いえ。たとえば今の政治家は選挙に当選することが第一優先でしょ。これは昔も今も同じですよ。そのために何をするかを考えるのが政治家です」

あー、平行線。この後も話は続きましたが、平行線でした。難しいですね。合理主義と理想論。あるいは、物事は自分の利益のための合理的判断で進むという自分中心主義というか近視眼(これが現代学術界の主流か!?)と、ウェルビーイングから考えた論理的な帰結である「みんなが心の底からオープンにみんなのための理想を目指すべき」という考え。水と油でした。

後者は、一見、精神論、感情論、情熱論にすぎないと言われがちかもしれませんが、僕は、今後は学術界も産業界もこちらにシフトしていくべき、全体的で「和」的な考え方だと真剣に思っています。みんなの幸せこそが個人の幸せ、というあり方。

似たものと感じられる論理に、「アメリカは、日本を骨抜きにするために日本国憲法を作った」や「環境問題の議論は、アンチエネルギー業界の陰謀」のような「陰謀論」があります。たしかにまあそういう風に考えることもできると思います。しかし、陰謀って、自分のことばかり考えて、相手の立場を考えないことを前提とする見方ですよね。マッカーサーは日本をいい国にしたいとピュアに思っていた面もあるだろうし、環境問題は科学者が私利私欲なく真摯に考えた結果なのではないか、というように、僕は「陰謀論」ではなく「ピュアにみんなのためを考える心」論で説明したいです。「人類って、後者に向かういい人たちなんだ」と信じたいです。

この平行線って、要するに、利己的な人は利己的な世界観に立ち、利他的な人は利他的な世界観に立つ、というシンプルな構造の表れなのではないでしょうか? つまり、対立軸は、自分のことばっかり考えることに特化しがちな個人主義と、みんなのことを考える(だから時としては滅私奉公になってしまう面もあるけれども、そこを超えてみんなのことを考えると人類の次のパラダイムになるに違いないと僕には思える)集団主義との対立軸ともいえそうです。もちろん、本当は、対立ではなく、両者を包み込む価値観に立つことが重要だと思いますが。

以下の「科学と倫理」のイベント(無料!)にいらしていただければ、この話の続きのような議論をご覧いただけるかもしれません(笑)。倫理とは「我々は何をすべきか」を議論する、「べき」についての学問ですから。生々しく戦う場面をご覧いただけるかどうかはわかりませんが。ぜひ、ご来場いただき、価値についての議論をお楽しみいただければ、幸いです。私は「AI時代の科学技術倫理」と題して講演・ディスカッションいたします!

2019年10月26日
日本科学協会科学隣接領域研究会「科学と倫理」シンポジウム
https://www.jss.or.jp/ikusei/rinsetsu/ethics/

「何も考えなくても生きていける社会」はそろそろやめるべきでは?

【「何も考えなくても生きていける社会」はそろそろやめるべきでは?】

16歳のグレタ・トゥンベリさんの演説はすばらしかった。心から賛同した。
https://www.youtube.com/

しかし、日本では的外れの批判も少なくないようだ。
【コラム】トゥンベリさん怒りの演説と、醜悪な日本の大人達
https://news.yahoo.co.jp/

関連記事。
「地球温暖化のウソ」に日本人はいつまで騙され続けるのか?
https://news.yahoo.co.jp/

戦後の日本は世界でもトップクラスの安全で健康な国家となったが、言い換えれば、各人が自ら判断し、様々なことに自ら気をつけなくても生きていける社会を作ってしまったとも言えるのではないか。自らをルールとマニュアルで縛った挙句、大局的な判断やイノベーティブな判断ができない人々となってしまったのではないか。自らの個性を生かしならが成長して独自の強みを磨くことのできない人の集団になってしまったのではないか。

江戸時代までは宗教が思想の根幹を成していた。明治には国家神道があった。かつては〇〇道のような精神修養を行なった達人がいた。これに対し、戦後日本は倫理・道徳の中心を失ったままなのではないか。過去に戻るべきだとは思わないが、思考の基軸を再構築すべきときなのではないか。

日本人の自己肯定感は諸外国と比べ低めだというデータがある。成長しなくても生きていける国を作った結果、自己肯定感さえも高められずに未熟なままでいる人間を大量に作ってしまったということなのではないか。
日本人はたとえばアメリカ人に比べて日常会話で政治や国際情勢の話をしない傾向が強い。未熟なまま大人になった結果、自分のことしか考えられない事態に陥ってしまっているのではないか。世界のことに目を向けるための心の成長が止まってしまっているのではないか。

大局観がないから、グレタ・トゥンベリさんの大局的な発言に対して、細かいことをつつくような的外れの反論しかできなくなってしまったのではないか。環境問題のような全体最適の問題を考える能力が欠如しているのではないか。他人のため、みんなのため、地球のため、と考える利他性・思いやり・親切さが育っていないのではないか。

もちろん、日本だけではない。世界中が、自国第一主義に傾いている。みんなが自分勝手になろうとしている。このままだと世界大戦になるかもしれない。環境問題も解決されず、恐ろしい温暖化が進むのかもしれない。

そんなはずはない。僕は、人間はそんなに愚かではないと信じたい。そんなのは一部であると信じたい。そして、みんな変われると信じたい。目覚めよう。もっと、みんな、自分の力を発揮しよう。もっと、大局的に考えよう。そのための教養を身につけよう。もっと学ぼう。自ら世界のことを考えられる地球人になろう。そして、行動しよう。環境問題は待ったなしだ。民度の低下も待ったなしだ。みんなで、やるべきことをやろう。小さくてもいいから、始めよう。そして、行動の輪を広げよう。世界を「和の世界」にしよう。そのためのリーダーになろう。私たち日本からやるべきことはたくさんある。みんなで立ち上がろう。みんなで、幸せで平和な地球を作ろう。青い地球を守るのは、ほかならぬ、私たち自身だ!

優しさに包まれたなら(ZEN2.0参加報告)

9月22日、建長寺で行われた第3回ZEN2.0
https://zen20.jp
に登壇しました。

うれしいことに、第1回から、3回連続で登壇させていただいています。

第1回は、ビッグバンのときはみんな一緒だった、という話から、心について話しました。動画(同時通訳付き)も公開されています。ぜひご覧ください。

Consciousness/Unconsciousness and Enlightenment/Well-Being by Takashi Maeno
https://www.youtube.com/watch?v=dGBDkDHzIQY

関連ブログはこちら。

Big Bang, Mind, Peace and Happiness(ビッグバンと心と平和と幸せ)
http://takashimaeno.blog.fc2.com/blog-entry-438.html

第2回の昨年は「幸せの階段」という概念を提案し発表するとともに、レディー・ガガの歌うイマジン(ジョン・レノン作詞作曲)を紹介しました。Love & Peace! 関連ブログはこちら。

Imagine
http://takashimaeno.blog.fc2.com/blog-entry-355.html

永遠平和のために(カントとアインシュタインとジョン・レノンに賛同します)
http://takashimaeno.blog.fc2.com/blog-entry-296.html

今年のZEN2.0のテーマはつながり。ということで、過去2回とは異なり、妻のマドカと共に登壇し、スライドなしで対話しました。この日の朝一番のセッションで鎌田先生と熊田先生がユーミンの『優しさに包まれたなら』について語られていたのが印象的だったので、僕らの対話の中でもこの歌に触れました。

優しさに包まれたなら(松任谷由実)

小さい頃は神様がいて
不思議に夢を叶えてくれた
やさしい気持ちで目覚めた朝は
おとなになっても奇跡は起こるよ

カーテンを開いて
静かな木漏れ陽の
やさしさに包まれたならきっと
目にうつる全てのことはメッセージ

要するに、人って優しさに包まれていると、心理的安全性が確保され、誰もが持っている内面からの力を発揮できると思うんですよね。同時に、外にあるメッセージを受け取る力も強い。100%の信頼であることが重要だと思います。まわりへの信頼と、自分への信頼。

外からの情報を受け取れるから、目にうつる全てのことがメッセージであることがわかる。すばらしい力を発揮できるから、あたかも奇跡のようなことも起こる。そういう歌ななんだと思います。

それから、話そうと思っていたけれども時間が足りなくて話さなかったのは、「人類の歴史と個人の人生は相似形」だということ。小さい頃は神様がいた。人類も、昔は神様をみんな信じていた。しかし、大人になって知識が付くにつれ、あるいは、科学技術も産業も発展するにつれ、感性に身を委ねることを忘れ、あらゆるメッセージに目を奪われることも忘れ、奇跡が起こらなくなってしまった。現代人は、昔の人類の知恵を思い出すべきなのではないでしょうか。そのために大切なことは、みんなが助け合って、優しさに包み合うこと。対立と分断の時代から、調和と平和の時代へ。その第一歩が、パートナーシップの幸せだと思うのです。優しさに包まれること。

みんなで、優しさに包まれた世界を創りたいですね。

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「保育の質を考えあうシンポジウム」での前野隆司の資料

2019年9月15日に行いました「保育の質を考えあうシンポジウム」での私の資料をブログに公開すると申し上げましたので、ここに公開します。よろしくお願いいたします。

資料はこちら

2019年9月以降の前野隆司の講演予定

9月以降の講演、登壇予定を以下に記します。詳細はお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

2019年
9月6日 NewsPicksでサイボウズの青野社長と対談
9月7日 MOT実践エグゼクティブスクールで登壇
9月8日 慶應日吉キャンパスにて小林正弥先生、井上広法さんと鼎談
9月10日 稲葉俊郎さんと「道の学校」で対談
9月15日 我楽田工房ギャラリーにて山の上大学主催「ウェルビーイングゼミ」特別授業に登壇
9月15日14:00-16:30 第7回保育の質を考えあうシンポジウムに登壇
9月17日 WAL(第4回 Work as Life 研究会)に登壇
9月19日 幸福経営塾最終回
9月21日 覚醒医療ネットワークの第4回シンポジウムにて講演
9月22日 Zen2.0にて前野マドカと対談
9月23日 銀婚記念ワークショップ@東京アメリカンクラブに登壇
9月25日 関西経営実践研究会にて講演
9月29日 慶應日吉キャンパスにて慶應SDMヒューマンラボ主催ワークショップに登壇(楽しみながら公共的な取り組みに参加してもらう方法を考えるワークショップ)
10月3日 沖縄アイランダーサミットに登壇
10月6日 宮崎県新富町でのイベントに登壇
10月8日 NewsPicks×Twitter「The Update」に生出演
10月10日 開講20周年記念講座「禅といま」に登壇
10月25日  ITシンポジウムにて登壇(大阪)
10月25日から6回(10/25, 11/1, 11/8, 12/6, 12/13)BEING SCHOOLに登壇(https://www.facebook.com/groups/2303902572991683/
10月26日 日本科学協会科学隣接領域研究会「科学と倫理」シンポジウムに登壇
10月27日 慶應日吉キャンパスにて慶應SDMヒューマンラボ主催ワークショップに登壇
10月28日 コモンズ企業価値研究会に登壇
10月29日 慶應日吉キャンパスにて「多様性×幸福学」シンポジウムに登壇
10月31日 慶應日吉キャンパスにてi愛NLP協会主催のイブニングサロンに出演
11月8日 中部経済同友会にて講演(名古屋マリオットアソシアホテル)
11月9日 TA研究会にて講演
11月12日 HRカンファレンスに登壇
11月15日 慶應三田キャンパスにて「SDGs×幸福×経営」シンポジウムに登壇
11月16日 慶應三田キャンパスにて日本ポジティブサイコロジー医学会に出席・登壇
11月18日 日本プロテニス協会にて講演
11月19日 慶應日吉キャンパスにて「道の学校」に登壇
11月21日 SCSK株式会社主催講演会に登壇
11月27日 オーセンティックラグジュアリーのイベントに登壇
12月4日 健康経営フォーラムにて講演
12月8日 慶應日吉キャンパスにて小林正弥先生、新井和宏さんと鼎談
12月14日 タルベンシャハー氏来日イベントに登壇予定
12月15日 NPO法人地域福祉サポートちたの講演会(知多市勤労文化会館)にて講演
12月17日 日本能率協会にて講演
12月25日 AHA!HAカンファレンスに登壇

2020年
1月14日 慶應日吉キャンパスにて「道の学校」に登壇
1月18日 東京都看護協会の看護研究学会シンポジウムに登壇
1月22日から6回(1/22, 1/29, 2/5, 2/12, 2/19, 2/27)慶應MCC「デザイン×システム思考」講座講師(https://www.keiomcc.com/program/sdt19b/
1月27日 ダイバーシティーフォーラムに登壇
2月6-7日 関西財界セミナーに登壇
2月23日 クエストカップ審査員
3月10日 慶應日吉キャンパスにて「道の学校」に登壇
3月20日 shiawase3.0シンポジウムに登壇
3月21−22日 Wisdom2.0 JAPANに登壇
3月28日 ウエイクアップアワード表彰式に出席
4月8日 能率協会にて講演

老子・荘子

久しぶりに『老子・荘子』を読み返しています。講談社学術文庫。

「無限なるものと完全に一体となり、形なき世界に遊べ。天から授けられたものを、そのままに受け取り、それ以上のものを得ようとするな。」

「自らが虚無であればこそ、万物の姿を写すことができる」

「一切をそのままに包容し、肯定する無限者たれ。万物斉同とは、人間の運命をそのままに肯定する立場」

「富と貧、貴と賎、長命と短命、総じて幸福と不幸とよばれている差別の姿は、すべて人為によって構成された虚妄にすぎない」

「運命のままに従うことこそ、至上の徳であるといえよう」

「聖人は、何ものも失う恐れのない境地、一切をそのままに受け入れる境地に遊び、すべてをそなままに肯定するのである。清酒運を良しとし、老年をよしとし、人生の始めをよしとし、人生の終わりをよしとする」

以上、荘子の言葉の一部。染み入ります。

天外伺朗さんが『非常識経営の夜明け』に書かれたような経営論を論じていたら、ある人に「その考え方は 老荘思想ですね」と言われたんだそうです。天外さんは老子・荘子を読んだことがなかったので読んでみたら、なんと天外さんと同じことを言っていたそうです。

7/26発売(もうすぐです!)の『古(いにしえ)の武術に学ぶ無意識のちから - 広大な潜在能力の世界にアクセスする“フロー"への入り口』(ワニプラス)で対談している甲野善紀先生の言葉「運命は完璧に決まっていて、同時に完璧に自由である」も老荘思想と似ています。

日本人の思想基盤の一つである仏教は、インドから中国を経由して日本に入ったのですが、実は中国で老荘思想の影響を強く受けたといわれます。私たちの心の中には老子・荘子が生きているのだなあ、としみじみ思います。出張中のメルボルンにて。

『老子・荘子』はこちら
https://amzn.to/2xYNA2P

『非常識経営の夜明け』はこちら
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『古の武術に学ぶ無意識のちから』はこちら
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べき論(ねばならない)は避けるべきか?

最近「べき論(ねばならない)は避けるべき」という主張をよく見かける。先日も、「みんなが幸せな世界を創るべき」と主張したら、「べき論では問題は解決できない」という批判を受けた。しかし、そうだろうか?

「我々は何をすべきか?」は、言わずと知れた、倫理学の根本命題である。すなわち、哲学が「〇〇とは何であるか?」という問いを追求するのに対して、倫理学は「私たちは〇〇すべきか」という「価値」についての問いの根本的な意味を追求する。「賄賂、隠蔽、捏造などの不正をなくすためにどうすべきか(予防倫理)」「医療技術・バイオ技術はどこまで許されるべきか(生命倫理)」「科学技術と環境保護の関係はどうあるべきか(環境倫理)」などである。つまり、倫理学とは、価値についての学問である。

一方で、べき論を避けるべき、という議論は、「私は〇〇すべき」という「ねばならない」型の価値観に心が囚われすぎるべきではない、という意見の表明であって、「べき」の根本を問う倫理学とはレイヤーが異なる。すなわち、「私はこの仕事を明日までに終えるべき」「人は礼儀正しくあるべき」などのべき論に接したときに、本当に他の何よりも仕事を明日までに終えることや、礼儀正しくあることを優先すべきか、ということを根本的によく考えるべき、という意味である。つまり、レイヤーの低い偏狭な価値に囚われすぎず、よりレイヤーの高い価値についてもよく考えて意思決定や行動をしましょう、という意味である。価値の問題を考えること自体をやめるべき、という議論ではなく、レイヤーの高い根本的な価値まで考慮しましょう、という意味である。(ちなみに、「べき論を避けるべき」という価値観自体がトートロジーに陥っている点が興味深い。)

では、もっともレイヤーの高いべき論とは何か?

答えはもちろん、倫理学としての、根本的な「べき」についての問いを立てるべき、ということなのであるが、では、「べき」の学問である倫理学における最も根本的な問いはなんであろうか。

「私たちはいかにして幸せに生きるべきか」ではないだろうか。

もちろん、私は「私たちは幸せに生きるべき」だと考える。

ここで議論があるとすれば、「私たち」の範囲は「味方」までであって「敵」は入らないと考えるべきか、世界中の生きとし生けるものまで含めて「私たち」というべきか、という議論であろう。これはイデオロギーや宗教観の議論であるということもできる。一神教的な価値観では敵と味方を分断する傾向があるが、大乗仏教的な世界観では世界中の生きとし生けるものを慈悲の対象に含める傾向が強いのではないかと思う。したがって、「私たちは幸せに生きるべき」という議論は、世界を二分してしまう危険がある。その点を除けば、「誰もが幸せになるべき」に反論する者は少ないのではないだろうか。だから、私たちは、価値について考えるとき、なるべくレイヤーの高い価値まで思考の枠を広げて考えるべきだと思うのである。

というわけで、「べき論」は避けるべきか? について述べてきた。まとめると、レイヤーの低い「べき論」に留まるのは避けるべきだが、倫理学としての根本的な「べき」は大いに問うべき、というのが私の考えである。そして、私が今最も追求したい課題は、「生きとし生けるものはみんな幸せになるべき」という、ある面では当然に思える命題を、いかにすれば私たち人類の大多数が心の底から願えるようになるのか、という課題である。

自分とみんなへの愛

古の武術に学ぶ無意識のちから

甲野善紀先生のとの対談本『古(いにしえ)の武術に学ぶ無意識のちから 広大な潜在能力の世界にアクセスする〝フロー〟への入り口』のまえがきを転載します!



はじめに

私は達人に興味がある。達人とお会いすると萌える。

それには学術的な背景がある。私はウェルビーイング(良き在り方、幸せ、健康、福利・福祉)についての研究を行なっているが、世界中のウェルビーイング研究の結果を簡単に述べると、要するに「幸せな人は性格のいい人」なのである。私のグループの調査によると、

・エネルギッシュ力=外向性・積極性
・フレンドリー力=協調性、利他性
・まじめ力=勤勉性・誠実性、粘り強さ
・情緒安定力=情緒安定性(⇔神経症傾向)
・おもしろがり力=知性・開放性・知的好奇心

が、高い人が幸せな人である。この五つは、ビッグファイブと言われる、よく知られた性格の因子である。

では、究極に幸せな人とは、どんな人か。
達人である。

ものすごく幸せな人とは、幸せの条件を高度に満たした人だと思うのである。いや、思うだけではない。私はウェルビーイングの研究者として、武道や茶道や華道の達人、名経営者、人格者、有名人、面白い人、いい人、などなど、さまざまな個性的な方にお会いしてきたが、やはり、達人は幸せであった。

のほほんと幸せにしているというわけではない。積極的で、粘り強く、知的好奇心に溢れ、要するにビッグファイブの多くを高いレベルで満たしている方々である。言い換えれば、私が明らかにした幸せの四つの因子(やってみよう、ありがとう、なんとかなる、ありのままに)を、凛として満たしている方々である。圧巻の人物である。

どうやら、現代日本において、達人は、たぶん昔よりも減っているようである。それは、近代西洋型の合理主義の結果、古き良きもの、本質的に人間にとって大切なことが、失われつつあるからなのではないだろうか。危機である。

私たちは、古き素晴らしきものを、忘れ去らずに、掘り起こしていくべきなのではないか。

そんな問題意識のもと、ワニブックスの「無意識シリーズ」の一環として古武術家の甲野善紀さんとの対談が実現したことは、私にとってこの上ない幸運であった。

本書をお読みいただくとわかるように、古武術とは、過去と現在をつなぎ合わせるための貴重な糸口である。甲野先生の信条は、「運命は完璧に決まっていて、同時に完璧に自由である」。この矛盾に満ちた主題を基軸に、甲野先生と私の無意識が呼応し合った。初めから終わりまで、ワクワクし続けた対談だった。

甲野先生の信条が、いわば縦糸である。ここに、古武術を中心とした様々な話題が横糸として織り成した。そして、縦糸の美しさを生かしたみごとな布地を織り上げることができた。そんな、感慨もひとしおの書である。読者の皆さんにも、布の文様が次第に姿を現す様をご堪能いただければ幸いである。

本書の中で、多様な形で論じられるように、古武術はアナロジー(類似性)に満ちている。ヒントに満ちている。つまり、俯瞰的に読めば、あらゆる分野において参考にすることのできる書になったと思う。

本書に出てくる対比のアナロジーを以下に列挙してみよう。本書の横糸のダイジェスト版である。

・古武術と、現代武術・スポーツ
・生きて死ぬための武術と、勝つためのスポーツ
・死と向き合うことと、死をタブー視すること
・新しい道を探求することと、常識にとらわれること
・科学でまだ解明されてないことと、解明されたと考えられていること
・一部の人だけにできることと、誰にでもできて一般性のあること
・技は盗むという学び方と、反復練習による学び方
・自ら考えて高みに到達する学びと、型にはまった学び
・努力させない教え方と、努力させる教え方
・学び続けることと、学ばなくなること
・変え続けることと、変えられなくなること
・無意識に委ねることと、意識で考えすぎること
・操った気になっていることと、操っていると思うこと
・「やろう」としないでやることと、「やろう」としてやること
・生態系の多様性を維持する自然農法と、作物の生育を最適化する現代型農業
・自然林のようなティール組織と、軍隊のようなピラミッド型・命令型組織
・ホリスティック(全体的)な古来東洋型と、分析・分割・分断に向かう近代西洋型
・人類を代表する一人として生きることと、ただの個人として生きること
・信じきれないことと、信じること
・納得して生きることと、流されて生きること
 
もちろん、これらは単なる対比ではない。本書で述べられるように、その両者を包み込んで飲み込むことが、矛盾包含型世界観につながるというべきであろう。「運命は完璧に決まっていて、同時に完璧に自由」なのである。やはり、達人との対話はすばらしい。皆様も、二度とない人生をお楽しみください。本書がその一助となっているなら、望外の幸せです。

前野 隆司

幸せな金融機関は可能か?

みんなで幸せでい続ける経営研究会の会合で、この会のメンバーでもある第一勧業信用組合(以下第一勧信)の新田理事長のお話を聴いた。

新田さんは、元みずほ銀行の常務。巨大なメガバンクと小さな信用組合の経営をどちらも経験した経歴はユニークだ。みずほ銀行のころから「祭りに行く常務」として有名だったという。みずほではまわりから「祭りに行くのが趣味なの?」と言われていたそうだが、もちろん趣味ではない。地元の行事で汗をかくことで、地元と密着。地元の人々の生の声を聞き、地元のみなさんのために何をできるかを考えるため。

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山伏修行(うけたもう)

妻のマドカとの初の共著『ニコイチ幸福学』(CCCメディアハウス、2019.5.30発売)。羽黒山の星野先達のところでの山伏修行についての妻の文章が反響を呼んでいるので(笑)、以下に、全文を掲載します。「うけたもう」(承ります)は人生の縮図ですねー。つまり、人生では様々な予期せぬ出来事が起こりますが、幸も不幸も「うけたもう」ととらえることが、幸せな人生の秘訣なのではないかと思います。

世界をハッピーにする真の「うけたもう!」とは?

以前、夫に誘われて山伏の修行体験に参加しました。2017年のことです。2泊3日で、月山【がっさん】や羽黒山【はぐろさん】に白装束と足袋で登ったり、滝に打たれたりする、かなりハードなものでした。


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幸せな職場の経営学 〜「働きたくてたまらないチーム」の作り方

5/30発売の拙著『幸せな職場の経営学 〜「働きたくてたまらないチーム」の作り方』(小学館)。さっそく、いろいろな方から、いろいろな質問をいただいています。ありがとうございます。お答えします!

まずは、どんな内容なの? というご質問。目次は以下の通りです!

第1章 どんな職場が「幸せ」なのか
第2章 ウェルビーイング第一主義が世界を変える
第3章 幸せな職場の実践例
第4章 職場の悩みQ&A すべての組織は幸せになれる!
第5章 職場で今すぐできる幸せのレッスン
第6章 働き方の未来

つづきまして、第4章のQ&Aにはどんな質問があるの? というご質問。はい、以下です! ぜひ読んで、みなさまのよくある悩みを解決してください!

1 やる気とモチベーションについての悩み

1-1 部下がいつも受け身で、主体的に仕事を進めようという気勢が感じられない
1-2 会議などでメンバーが積極的に発言しない

2 人事と職場の人間関係に関する悩み

2-1 良い人材が採用できない
2-2 上司を尊敬できない
2-3 若手がすぐに辞めてしまい、育たない
2-4 チームの雰囲気が悪い

3 リーダーシップについての悩み

3-1 次世代リーダーが育たない
3-2 ビジョンが浸透しない
3-3 イノベーションが起こらない
3-4 チームリーダーになったが、前任者と比べられて辛い

また、幸福度アセスメント(アンケート)も掲載しました。伊那食品工業、ダイヤモンドメディア、ヤフー、ユニリーバジャパンの経営者の皆様にも取材させていただきました。私がこれまで関わってきた幸福度向上施策についても書きました。文化心理学における個人主義と集団主義の違いや、東洋と西洋の比較文化論についても述べました。原丈人さんの公益資本主義、新井和宏さんの共感資本、西條剛央さんの構造構成主義、紺野登さんの目的工学、松久寛さんの縮小社会、広井良典さんの定常型社会、小田亮さんの利他学、オットー・シャーマーさんのU理論、ケン・ウィルバーさんのインテグラル理論、ロバート・キーガンさんの成人発達理論、フレデリック・ラルーさんのティール組織などなどにも(少し)言及しました。もちろん、ティール組織、ホラクラシー組織についても書きました。現在の働き方改革や健康経営の課題についてももちろん書きました。それらも踏まえて、ウェルビーイング第一主義(幸せファースト!)について熱く語った渾身の書です。ぜひ、読んでください! よろしくお願い致します!

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「スーパー銭湯」と「数%」

スーパー銭湯に週1回以上行く人は数パーセント。

午前中にスーパー銭湯に行く人は数パーセント。

スーパー銭湯の宴会場を利用する人は数パーセント。

スーパー銭湯に託児所があることを重視する人は数パーセント。

スーパー銭湯利用者で、スーパー銭湯に行ってみてくないと答えた人は数パーセント〜。

この親父ギャグを言うのだけが目的で調べてみました。

出典:ネットリサーチのDIMSDRIVE『スーパー銭湯』に関するアンケート
http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2006/060413/index.html

要するに「ニコイチ」とはなんなのか!?!?!?


【ニコイチ幸福学】出版記念イベント

代官山(東京)と梅田(大阪)のTSUTAYAさんで行うトークイベント(5/30代官山、6/8梅田)。なんと、まだまだお席があるようです。ぜひ、お誘い合わせの上、ご参加ください。

◆5/30の代官山 蔦屋書店でのイベントはこちら。
https://store.tsite.jp/…/ev…/humanities/6554-1115260430.html

◆6/8の梅田 蔦屋書店でのイベントはこちら。
https://store.tsite.jp/…/ev…/humanities/6705-1100490508.html

来たくなっていただけるように、出版社には内緒で、本書『ニコイチ幸福学』の、渾身の最終部分を、こっそり公開します。こんなやり取りをさらに聞きたい方は、TSUTAYAへ!

ニコイチとはなんでしょうか? 本書の最後に二人のコメントが公開されます。

ニコイチとは、二項対立を超えること(Takashi)

とある僧侶の方と対談したとき、愛についての話になりました。どうすれば、交際初期のドキドキした恋愛感情や、結婚初期の幸福な感情を、その後もずっと続く、家族愛、兄妹愛、あるいは人類愛にまで成長・進化させていけるのか。
僧侶の方は、そうした進化をシームレスに起こしていくには、「学び」が必要だとおっしゃいました。生活をともにするなかでの、さまざまな学びです。そして、学びの機会は多くの場合「苦痛(痛み)」というかたちで現れるのだというのです。身近な人との意見の食い違い、仕事上での失敗、病気、人間関係の破綻、挫折など。
私は、学びのために必要なのは「苦痛」だけではないと思います。「喜び」。むしろそちらの方が重要ではないでしょうか。ものごとをポジティブに捉えれば、楽しみながら成長することが可能です。実際、私たち夫婦はいつも楽しみながら成長してきました。あらゆる出来事をポジティブに捉えれば、すべては苦痛ではなく楽しみです。
ニコイチの元々の意味は、ポンコツになった機械二つの部品を使って一つを作るという意味でした。人間も、ポンコツとは言わなくても、みんな、欠陥だらけです。だからこそ、他の人と補い合うことによって、成長できるのではないでしょうか。学びはポンコツの欠陥を正すことと考えると苦しみに感じられるかもしれませんが、「不十分な二人が助け合うとこんなに補い合えるね」と捉えれば喜びですよね。

さて、苦痛と喜びは、本来分けられないものです。二つで一つ。ニコイチです。表と裏。他のすべての物事もそうです。善と悪。私と私以外。正しいことと間違ったこと。仲間と敵。不十分なものと、完全なもの。二つに分けることから、分断が始まります。現在は分断の時代だという人もいますが、私はそうは思いません。二項対立からニコイチへ。「すべての対立は、一つのことの別の側面」と見ることができれば、争いは、平和と調和に変わるでしょう。もっとみんなで補い合う世界に変えましょうよ。
ソクラテス、プラトン、アリストテレスの時代から現代まで、西洋では、分解して分析して分類して理解するやり方が発展しました。それによって科学技術も発展しました。だから現代の社会では、合理的・効率的に分解・分析・分類するやる方が優れていると考えられがちです。しかし、西洋の弁証法も、中国の老荘思想も、インドの仏教哲学も、日本の八百万の神の思想も、そのもとになったアミニズムも、「分けるよりも統合しようよ」という考え方です。分断よりも相互理解。分解ではなく組み立て。分析よりも総合。分類よりも全体の理解。分裂ではなく調和。部分よりも全体。一人よりもみんな。そんな平和的・調和的・全体統合的世界観が、現代社会で求められているのではないでしょうか。

もちろん、幸せと不幸も同様です。幸せか不幸かという二項対立ではなく、「幸せではない状態」も含めて「幸せ」です。分断ではなく、統合。

最初に述べたように、幸せとは巡り合わせです。良いめぐり合わせも悪いめぐり合わせもあるように思える。しかし、人生に、無駄なことは一つもありません。表と裏です。悪く見えたことにもその裏側に必ず良い面があります。逆もそうです。そして、すべてのことは学びのヒント、幸せへの歩みのきっかけなのです。
つまり、「幸せではない状態」からも何かを学び取ることができれば、「幸せな状態」がもっとよくわかるようになります。
ですから、いま悩みを抱えている人たちも、リラックスして、その状況を楽しむ勇気を持ってください。
それはニコイチにとって大きな学びの機会なのですから。

私は幼い頃から、夢多き子供でした。妄想癖というべきかもしれません。「世界中の人がみんな争わず幸せに生きればいいのに」と思っていました。小学生の頃、「そうするにはどうすればいいんだろう」とばかり考えていました。
それから五十年以上経った今、色々な経験を経て、今ではあの頃と同じことを考えたり発信したりすることを仕事にできていることを、幸せに思います。
そして、妻もそれにジョインしてくれたことが嬉しいですね。

幸福学の目的は、自分や妻、身近な人、そして苦手な人、嫌いな人、そして知らない人、人類みんなの幸せを実現することです。そのための研究です。

私は、だいぶ前から妻に宣言しています。
「僕は、マドカを愛するように、世界人類を愛している」
と。妻はとても喜んでくれました。
「あなたのいいそうなことね。ぜひ、そうして!」と。

私の感覚では、妻と、世界中の生きとし生けるものは、同じなんです。たまたま世界の巡り合わせによって、最も近くにいるのが妻。具体的に最も深く接しいろいろと関わることができるのは妻ですが、他の人も全て、この宇宙の中で共に生きる人々なのだから、当然、妻と同じだけ大切なのではないでしょうか。もちろん、人間に限らず、動物も、植物も。そして、鉱物も、人工物も。
私たち人間は宇宙に存在する原子と分子からできています。これらは、百億年以上前に宇宙ができた時から宇宙にあります。原子と分子が様々なものに形を変えてきただけで、何も変わっていません。そして、あまたの原子と分子の一部が、たまたま今は、私や妻や皆さんという人間を形成しているということなのです。奇跡的な偶然によって。
宇宙にあるすべてのものは、同じ宇宙の、同じ原子・分子から成る仲間。そんな世界中の人々や生き物やものが、自分やパートナーと同じだけ大切でない理由が私には思い当たりません。だから、パートナーと同じくらい、世界中のすべての人を愛しているのです。

人類愛。

壮大な話だと思う方もおられるかもしれません。しかし、いたって普通のことです。
誰にだって人類愛の感情を持つことはできるのです。いや、持つべきだと思います。なぜなら、先ほども述べたように、あなたとあなた以外は、そんなに違うものではないからです。もっというと、あなたとあなた以外は、本来分けられないものだからです。
そして、この感情を持つことができたら、世界は安心でおだやかです。あなたは、私。私は、あなた。すべてはありのまま、なすがまま。

あなた自身を愛してください。大切にしてください。世界中の他のすべての人やものと同じように。あなたの尊い命を。
あなたのパートナーを愛してください。信頼し、尊重し、いとおしく思ってください。あなたの尊いパートナーを。
そして、あなたと、あなたのパートナーへの思いを、世界に広げてください。世界中の生きとし生けるものを愛してください。生きとし生けるものを、信頼し、尊重し、いとおしく思ってください。だって、あなたなんですから。あなたと、あなた以外は、二つで一つ。ニコイチなのです。

ニコイチとは、お花畑(Madoka)

夫の話は壮大ですね。ワンネス(世界は一つであること)を目指しています。一方で、私は、私と出会った全ての人を大切にすることを起点に、丁寧に世界を愛したいと思っています。もちろん、二つの考えは矛盾するものではありません。一般的に、男は抽象思考をし、女は具体思考をする傾向があると言われます。男は大きな夢を描き、女は目の前の幸せを見つめる。もちろん、そうではない方もいるでしょうが、私たち夫婦は典型的なこのパターンだと思います。そして、これはどちらが偉いとか正しいとかいうことではなく、補完関係です。ニコイチです。

心から、願っています。あなたが、幸せでありますように。いつも笑顔で、自分の心と体をいたわっていますように。辛いことがあっても、乗り越えられますように。
あなたのパートナーが、幸せでありますように。いつもあなたとのコミュニケーションが愛にあふれ、尊敬にあふれ、ポジティブな気遣いに溢れていますように。いろいろなことがあっても、それを通して二人で成長していけますように。
あなたの大切な家族がみんな幸せでありますように。みんな信頼し合っていて、安心・安全な暖かい関係を築いていますように。たくさん対話して、わかりあえますように。
あなたの大切な友人や同僚の皆さんが、幸せでありますように。素敵な人たちの間に、笑顔と幸せが広がっていきますように。一度しかないみんなの人生が、豊かで愛に満ちたものでありますように。

想像してみてください。あなたは晴れ渡った野に咲く一輪の花。思いっきり、咲き誇っています。美しく可愛いですね。
そして、幸せは伝染ります。あなたが幸せならば、あなたの周りは幸せです。色とりどりの花たちが競い合って開花するように、彩り豊かな世界は広がっていくでしょう。
大小の丘に咲く、赤い花、黄色い花、青い花。大きい花と小さな花。みんな、なんて美しいんでしょう。そこには争いはなく、それぞれが個性を活かして生き生きと力強く育っています。
さわやかなな風が吹きわたり、みんなが楽しそうに揺れています。地平線まで続くお花畑。幸せの輪は大きく広がり、世界中が愛に満ちあふれています。
そう。この世は初めから楽園なんです。晴れ渡った空の下、遥か彼方まで一面に花咲くカラフルなお花畑のように。

カモミール摘み体験

100%自然素材のオーガニックハーブティーブランドWHITETREEによる初カモミール摘み体験。サンファーム高橋さんにて。摘みたてのカモミールハーブティーの美味しいこと。幸せな時間でした! ありがとうございます。

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『ニコイチ幸福学』刊行記念 前野隆司×前野マドカ夫婦対談

【イベント】『ニコイチ幸福学』刊行記念 前野隆司×前野マドカ夫婦対談&サイン会

人文 蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース 2019年 05月30日(木)

https://store.tsite.jp/daikanyama/event/

「幸福学」研究の第一人者である夫妻が、円満に長く続くパートナーシップについて解説した本著の発売を記念して、トークイベント&サイン会を開催致します。

慶應義塾大学大学院で開催された大人気講座「幸福学・夫婦編」の事例も紹介している本著が説くのは、個人が幸福になる為に必要な、ある「四つの因子」を高めれば、パートナーシップも幸せなものになるというもの。

様々な形の「パートナーシップ」が論じられる現在だからこそ、皆様もぜひ前野ご夫妻の「授業」を受講してみて下さい。

【参加条件】
代官山 蔦屋書店にて、以下いずれかの対象商品をご予約・ご購入頂いたお客様がご参加いただけます。

【お申込み方法】
以下の方法でお申込みいただけます。
(1)代官山 蔦屋書店 店頭 (1号館1階 レジ)
(2)お電話 03-3770-2525 (人文フロア)
(3)オンラインストア

【対象商品】
・書籍『ニコイチ幸福学』(CCCメディアハウス 1,620円/税込)+イベント参加券(380円/税込)セット 2,000円(税込)
・イベント参加券 1,000円(税込)

※『ニコイチ幸福学』は、5月1日(水)発売予定です。
イベント当日以前に店頭にて書籍+参加券セットのお受け取りをご希望の方は、発売日5月1日(水)以降でお願いいたします。
オンラインストアでお申込みの方も、発売日後の発送となります。何卒ご了承ください。

【ご注意事項】
*参加券1枚につきお一人様がご参加いただけます。
*イベント会場はイベント開始の15分前から入場可能です。
*当日の座席は、先着順でお座りいただきます。
*参加券の再発行・キャンセル・払い戻しはお受けできませんのでご了承くださいませ。
*止むを得ずイベントが中止、内容変更になる場合があります。

【プロフィール】
前野 隆司(まえの・たかし)
1962年山口生まれ、広島育ち。1984年東工大卒、1986年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授などを経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。前野マドカの夫。
専門は、システムデザイン・マネジメント学、幸福学、イノベーション教育など。
著書に『脳はなぜ「心」を作ったのか』『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社現代新書)『無意識の力を伸ばす8つの講義』(講談社)、『実践 ポジティブ心理学』(PHP研究所)など。共著も多数ある。

前野 マドカ(まえの・まどか)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。EVOL株式会社代表取締役CEO。IPPA(国際ポジティブ心理学協会)会員。サンフランシスコ大学、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)などを経て現職。前野隆司の妻。
幸せを広めるワークショップ、コンサルティング、研修活動およびフレームワーク研究・事業展開、執筆活動を行っている。「幸せな姑と嫁の関係」「幸せな夫婦」「幸せな家族」「幸せな仕事と家庭の両立」を実践しながら研究中。
著書に『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(ヴォイス)がある。

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ニコイチ幸福学ー研究者夫妻が極めた最善のパートナーシップ学

世界中の人物の中で、もっともWEBに頻繁に現れるのはアリストテレス。2位がプラトン、3位がキリストだそうです。

アリストテレスの息子二コマコスが書いた『ニコマコス倫理学』をご存知でしょうか?

2000年以上読み継がれてきた名著で、アリストテレスの「幸福論」についても存分に書かれています。

そして今、『ニコマコス倫理学』に対抗するわけではありませんが(笑)、5/1に、妻のマドカと僕の初の共著の本、

ニコイチ幸福学ー研究者夫妻が極めた最善のパートナーシップ学』(CCCメディアハウス、1620円)

を出版する運びとなりました(笑)。

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パートナーシップについての、渾身の、愛を込めた本です! 理論も、実例も、Q&Aも、たっぷり。293ページ。すこしだけ厚めの黄色い本です。

『二コマコス倫理学』
『ニコイチ幸福学』
似てませんか(笑)。

ニコイチとは何か?

もともとは二つの古くなった製品から部品をとって一つの製品を作ること。二個から一つ。

最近は、若者の流行り言葉で、仲良しの二人という意味です。

さて、本書では、どのような意味なのでしょうか?

そして表紙のリンゴのような絵は、どういう意味なのでしょうか?

ぜひ、お読みください! 幸せなパートナーシップを築けます!
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本の中には、渡邊奈都子さん、渡邊義さん、朝野かおりさん、朝野倫徳さん、國友尚さん、近藤麻理恵さんらも登場します! 渡邊夫妻と一緒に2018年に行った「幸福学・夫婦編」についても書いています。

なお、5/30の夜には東京代官山の蔦屋にて、6/8の夜には、大阪梅田の蔦屋にて、トークショー(参加費1000円または本込みで2000円の予定)を行う予定です。もうすぐ、蔦屋より案内が出る予定(私からもアナウンスする予定)ですので、日程を空けてお待ちいただければ幸いです。

お会いするのを楽しみにしています!

前野マドカ&隆司

ウェルビーイングデザインサロン、始めます

ウェルビーイングデザインサロン、始めます!
初期メンバー(15名)募集中。

スライド500

mizenクリニック市ヶ谷院長で医師の野原弘義さんと、株式会社はぴテック代表取締役CEO兼CHOの太田雄介さんとともに、オンラインサロンを始めます。慶應SDMにおける研究の一環です。

というのは、人とのつながりの少ない人は、幸福度が低く、創造性や生産性が低いばかりか、健康面でも課題を抱えがちであることが知られています。ということは、人々のつながりを促進するコミュニティーを作ることが、幸せな未来のために重要なのではないか。オンラインとオフラインで交流する適切なコミュニティーをデザインできたら、幸せな世界を作れるのではないか。みんなの力で、話し合いながら、ティール型・ホラクラシー型で、作るといいのではないか。そのために、まずは少人数から、幸せな世界をデザインするオンライン&オフラインサロンを作ってみようではないか。

そんなコンセプトのもと、始めてみます。初期メンバーは15名。オフラインミーティングにご参加いただけることが条件です。会費は2000円/月。営利目的ではなく、みんなの活動資金です。必要事項と動画を作成の上、どんどんお申し込みください。応募者多数の場合は、多様性を考慮して決めさせていただきます。もちろん、数ヶ月したら、一般開放して、もっとたくさんの人にご参加いただき、大きく幸せを育むコミュニティーに育てたいと思っています。がんばります! ご期待ください!

ホームページはこちら

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幸せと運

【幸せは運か?】

西洋の心理学者による幸せ(well-being and happiness)についての解説論文に、東洋では「幸福」と「幸運」が同じ意味である地域があり、興味深い、と書かれていました。西洋では「幸福」と「幸運」が近い概念とは考えられないということでしょうか。

私自身、幸せは自分でつかむものであり、運ではないように感じます。皆さんはいかがでしょうか? 語源にあたってみましょう。

happy(幸せ)やhappen(起こる)の語源はhapという単語です。hapとは運。西洋の言葉happyも、語源は「運」なのです。

日本語の幸せの語源は、し・あわせ。何かをして運良く(あるいは運悪く)何かに巡り合わせるという意味です。つまり、こちらも「運」。

実は西洋でも日本でも、幸せの語源は運であるというのは興味深いですね。

自由意志はあるのか、それともすべては運命なのか、という古来の議論が想起されます。意識は能動的なのか、受動的なのか。拙著『脳はなぜ「心」を作ったのか』(ちくま文庫)の論点ですね。

先日対談した甲野善紀先生の言葉、「人間の運命は完璧に決まっていて、同時に完璧に自由である」(『表の体育 裏の体育』(PHP研究所)より)も同じ論点です。甲野先生の古武術は、すべてここが出発点になっているのだそうです。この話から始まった甲野先生との対談本『無意識と古武術(仮)』(ワニブックスの無意識シリーズの3冊目です)、夏に出る予定です。楽しみです。

こころの人類学(煎本 孝)

文化人類学者、生態人類学者である煎本孝先生の『心の人類学』(ちくま新書、2019)を読んだ。環太平洋地域での調査に基づく心についての本。共感。

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「トナカイは、人が飢えているときに自分からやってくる」と、カナダ・インディアンは考えていたという。
「風も人間同様、夕方になると食事をとる」とアイヌは考えていたという。

これを煎本先生は、初原的同一性と呼ぶ。宗教もなかった原始の人類は、人間と動物や自然を同一視していた。トナカイは飢えた人間のために施しとしてやってきたのだと考えたという。風も生き物と同様と考えたという。慈悲、わかちあい、おもいやり、いつくしみは、人類に普遍的に見られる自然的宇宙観。

そして、ウパニシャッドの思想では、自己と宇宙を同一化する。仏教における空も、現実世界の現象は他に依存して単に名前をつけているだけであって、それ自体で存在しているのではないという点で、初原的同一性と共通するという。
日本人として育った僕にとって、八百万の神がいる神道と、空を知ることを目指す仏教は、どのように理論的に整合するのだろう、という問いはいつも考え続けてきた疑問だったが、それへの文化人類学からの一つの答えは、やはりいつも僕が思っていることと近かったと思う。

神道と起源が近いのは、環太平洋諸国の自然信仰やシャーマニズム。その基本は初原的同一性。要するに人類は何千年も合理的に戦って勝つことを求めすぎているが、昔のネイティブアメリカンやアイヌの考え方の中には、人間も動物も植物も自然現象も起源は同じなのであるから、いたわりあい助け合いながら生きようよ、という思想があったのだ。仏教は個の内面が執着から離れることにフォーカスするという点では異なる面もあるが、人間中心を越えようとする点では初原的同一性と近い。

そういうことなんだなあ。自然に魅せられるのも、ティール組織・ホラクラシー組織に魅せられるのも、ありのままの人に魅せられるのも、何千年前の人とおなじ感性を、私たちが持っているからなんだなあ。みんなは自分、自分はみんななんだよ。世界は自分、自分は世界。そう思うと、世界の生きとし生けるものはいとおしいですよねー。

国際幸福芸術祭

3月17日は国際幸福芸術祭でした。大成功!

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幸せ文字

「笑い文字」に触発されて、「幸せ文字」を作ってみました。
幸せ文字
「笑い文字」は、笑い文字普及協会(廣江まさみ先生)による所定の講習を受けて認定されたら教えたり使ったりしてもいいというきちんとした形になっています。廣江先生が開発した笑い文字を同じように書けるようになることが目標です。このやり方は、物事を普及させ、類似のものを排除するための、きちんと管理された王道ですね。

一方、ティール組織やホラクラシー組織のように、自由な構造の組織が近年注目を浴びています。創造性を発揮してのびのびと幸せに活動するためにはこちらのやり方も有効でしょう。自由に創造性を発揮して、クリエーティブに幸せな文字を書くには、ティール型、ホラクラシー型が適しているかもしれません。また、Wikipediaのように、みんなで改良していく考え方も広まっています。ソフトウエアのオープンソースもそうですね。

また、廣江先生と初めてお会いしたときに「幸せ文字」を作りたいと思いました。「笑う」ことはとても大切ですが、「幸せ」から見ると、笑うことはその一部であり、笑っていようと歯を食いしばっていようと、幸せであることはよりよい人生のために必要であり、笑い文字とは別に、幸せ文字があってもいいと思ったからです。

そこで、笑い文字普及協会に対抗するわけではないのですが、敬意を表して、あえて「幸せ文字」は、以下のように自由な作り方と使い方を奨励して普及することを試みてみるといいのではないかと思いつきました。自由なやりかたで多様なアートを広める社会実験と言えるかもしれません。オープンなやり方の一種ですね。

「幸せ文字」のルール

・文字の中に顔を描いたり、手足を描いたり、その他様々な工夫をして、幸せそうな絵を描けばなんでもOK

・書き方は自由。僕の以下の例のようにデジタルに描いても、手書きでもOK

・ただし、独自のルールに従って筆で文字を書きその一部に笑顔を描く笑い文字には敬意を表し、笑い文字に似ていないことだけは気をつけること

・投稿・拡散、大歓迎、商用利用もOK

・僕(または認定スタッフ)がみて「幸せな文字だなー」と思ったら認定(予定)

・将来的には幸せ文字を普及させる組織も作って、そこで認定したり、みんなの「幸せ文字」を集めたりしてみたい

・文字にかかわらず、「幸せアート」にまで概念を広げた方が面白いかな。さらに広げて「幸せ活動」とか

・いつも改良のためのご意見募集中!

・幸せ文字の投稿大歓迎!

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2019年3月21日に武蔵野大学で行われるshiawase3.0シンポジウムで参加者に配布する笑い文字と幸せ文字のホッピー。両側が、笑い文字©️廣江まさみ。真ん中が、幸せ文字©️前野隆司。

Appendix

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